バニューシネマパラダイス バニューシネマパラダイス:シーン4『八月のクリスマス』 2012.10.26 Post Share Line この記事のタイトルとURLをコピーする 『八月のクリスマス』 1999年パンドラ 監督:ホ・ジノ 脚本:オ・スンウク/シン・ドンファン/ホ・ジノ 出演:ハン・ソッキュ/シム・ウナ ほか キングレコードより、DVDレンタル中。 喩えるなら、たまたま立ち寄った町の雑貨屋で見つけた、名もなき陶芸家の素敵な器のような、密やかな宝にも似た映画が『八月のクリスマス』である。韓流ブームの夜明け前、たいしたヒットもせずに公開を終えた。だが、作品はまさに丁寧な職人技に裏打ちされた逸品である。社会に出たばかりでまだ少女のあどけなさを残す交通取締員の女性と、そろそろ人生の折り返し地点に差し掛かった写真館のおじさんとの淡いロマンス。キスも抱擁もない。おじさんは、仕事の合間に写真館に立ち寄る女性と他愛ない話で笑いあう。だが、おじさんに残された人生の時間は実はあと僅かだ。ありふれた日々が、彼女との出会いで宝石のようなきらめきを放っていく。そして、たった一度だけのデート。おじさんは、幽霊のおならを嗅いだことがあると彼女に話す。幽霊もおならをするなら、不思議と怖くない気がすると。遺影を撮るためカメラの前に立つおじさんの笑顔が、じわりと胸に沁みる。 文とイラスト:竹内清人 1968年生まれ。 映画宣伝を経て、『戦国自衛隊1549』で脚本家デビュー。 現在、平塚の片隅(馬入あたり)で執筆活動をつづけている。 Post Share Line RSS feedly 私は今:松井輝男さん・夕華さん・莉桃ちゃん・うにちゃん 前の記事 源平とその周辺:第26回 東国における頼朝 次の記事
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