
平塚市立春日野中学校(西浜 馨校長、生徒数347人)の吹奏楽部が今年も「日本管楽合奏コンテスト全国大会」(主催=公益財団法人 日本音楽教育文化振興会)の予選を通過し、3年連続となる出場を決めた。以前までは「全国」とは無縁だったという同部だが、初挑戦となった一昨年の大会では審査員特別賞と優秀賞、昨年大会では同特別賞と最優秀賞を受賞するなど、今まさに常連校かつ名門校になりつつある。私立も含め全国津々浦々の強豪校と肩を並べ躍進を続ける同部は、ご多分にもれず1年が経てば概ね1/3の部員が入れ替わるという宿命にある公立中学校の部活動。そんな彼らの中で毎年受け継がれ、彼らが大切にしているものとは何か。
来月に大会を控えた同部は今月24日、激励に訪れた落合克宏市長や金子 誠教育長らを前に演奏を行った。今年選曲した楽曲は『バグズ(虫)』(ロジャー・シシー作曲)という組曲で、同部が演奏するのは全6楽章のうち第1楽章「前奏曲」、第4楽章「クロゴケ蜘蛛」、第5楽章「トラフアゲハ」、第6楽章「軍隊アリ」。誰もが聞いたことのある、音楽の教科書に出てくるようなメジャーな作品とは言い難いが、その「選曲力」も同部の強みのひとつだ。
選曲、演奏よりも
外部講師として今年4月から同部を指導し、タクトを振っている春口 旭さん(28)は今回の出場に関して「まずは選曲が良かったのだと思います。バンドの人数、カラーに合った選曲ができました」と話す。もちろん当然のことながら演奏力は評価しているものの「技術的な部分は今までの積み重ね。彼らは先輩たちから教わってきたことをちゃんと練習してきているので底がしっかりしています。だから私はあまり教えていないんです」と謙虚。ただ、音楽をやる以前に何よりも生徒たちに求めているものがある。「どちらかと言えば、普段の生活態度の方が大事だと思っています。遅刻をしないとか頭髪を乱さないなど、当たり前のことができないといくら教えても定着しませんからね」。そしてそんな生徒たちは生徒たちで、大切にしている言葉がある。
部員を繋ぐ言葉
西浜校長は「吹奏楽部の生徒たちは『音楽は心』を合い言葉に、自分に厳しく、音にも厳しく日々頑張っています。そんな彼らの音は一糸乱れず、非常に奥深い音となり聞く人を魅了します」と評価する。同部顧問の平良絵梨香教諭も「子どもたちも『音楽は心』という言葉が好きで、ずっとそれでやってきました」と言い、部長を務める3年・星野瑛彗君(15)も同じ言葉を口にしていた。
たかだかひとつの言葉で、と思うことなかれ、彼らはその言葉のもとにひとつになり、権威ある大会で評価されてきた事実がある。そして後輩へ、さらに後輩へと引き継がれ、「一発屋」ではない証明の最中にある。部長の星野君は「今回は(最高位の)文部科学大臣賞を狙っていきたい」と頼もしい。そんな彼らが躍動するのは来月8日。言葉ではなく、音で語る。
◎2014 第20回 日本管楽合奏コンテスト(中学校A部門)
◇日時:11/8(土)9時15分開場、10時開演◇会場:かつしかシンフォニーヒルズ(東京都葛飾区立石6−33−1)◇チケット:前売2,500円、当日2,700円◇問い合わせ:日本音楽教育文化振興会☎︎03-3814-2977
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