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バニューシネマパラダイス

バニューシネマパラダイス:シーン49『チャイルド44 森に消えた子供たち』

『チャイルド44 森に消えた子供たち』(2015年/アメリカ)
監督:ダニエル・エスピノーサ  脚本:リチャード・プライス
出演:トム・ハーディ、ゲイリー・オールドマン、ノオミ・ラパス 他
7月3日より、TOHOシネマズ海老名ほかにてロードショー。
1930年代、スターリン政権下のソ連。政府の圧政がウクライナに招いた未曾有の飢饉で、大量の孤児たちが生まれた時代。雪景色の孤児院から逃走した一人の少年は、凍てつく大地でソ連軍兵士に拾われレオという新たな名と人生を手に入れる。時は流れて、1950年代のモスクワ。大人になったレオは、第二次世界大戦での功績で、いまや国家保安省のエリート捜査官だ。ところが、最愛の妻がスパイ容疑に問われたことで辺境の地に左遷されてしまう。果たして、妻は裏切り者なのか?
さらに、新任地で起こる少年ばかりを狙った連続猟奇殺人を捜査するレオは、「犯罪は資本主義の病。理想国家では殺人はあり得ない」というスターリンの思想に抗うように、真犯人に迫る。一方で、レオと妻を国家のある陰謀が追いつめていく。本作の白眉は、殺人事件の真相よりも、むしろこの夫婦の愛の再生にある。レオ役のだみ声トム・ハーディは、無骨な軍人から次第に、繊細で情に厚い男の色気を滲ませていく。終幕の許しと希望にじんときた。
0626 映画
文とイラスト:竹内清人
1968年生まれ。
映画宣伝を経て、『戦国自衛隊1549』で脚本家デビュー。
現在、平塚の片隅(馬入あたり)で執筆活動をつづけている。

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