
ころころした丸い形に平塚産の食材を盛り込んだコロッケ。一口サイズでカリッとした衣は香ばしく、中はもっちりした里芋。噛むうちにしらすの食感も感じられる、そんな新商品が誕生した。その名も「ひらコロ」。開発したのは「こっこからあげ」で知られる平塚市の鳥仲商店。国の「地域産業資源活用事業」により生まれた市内初の商品である。
鳥仲商店は卸・小売の鶏肉専門店。惣菜にも力を入れており「こっこからあげ」や「鶏まん」といった商品が地域のグルメイベントなどで好評を博してきた。だが意外と、地場産素材で作られた商品は少なく、同店の鈴木崇専務は以前から「なるべく地元のもので商品を作ってみたい」との思いを抱いていたという。
そんな折、地域の産業資源を使って地域経済活性化と中小企業振興を図るための国の制度「地域産業資源活用事業」を知った。そこで同店は、平塚市の地域資源として指定されている「湘南レッド」(他の玉ねぎに比べ辛味が少なく甘みが強い赤玉ねぎ)と「湘南しらす加工品」の2つを使った新たな惣菜の開発をスタート。今年2月に国の認定を受け、フードコンサルタントによる支援を受けながら試作品作りを本格的に開始した。
こだわりは食感
この2つを使って、何をつくるのか。平塚では質の良い里芋が穫れることから、それを使ったコロッケを作ることに決めた。
完成に至るまで苦心した点は、里芋の皮をきれいにむくこと。また水分が多いと揚げる際に破裂するため、蒸してから手で皮をむくようにした。収穫時期が限られる「湘南レッド」は、加熱後冷凍し真空保存することで年間を通して利用できるように。このほか、しらす干しの塩分が時期によって異なるため、コロッケの味を同じにするよう微調整するのが難しいそう。なお里芋を品質を保ったまま保存するのが難しいため、じゃがいもを使用する時期もあるという。
最もこだわったのは、しらすと里芋の食感を残すこと。釜揚げしらすは里芋と混ぜるとつぶれてしまうため、コストは高いが、しらす干しを使う。里芋も小さな塊を残すように、ミキサーを使いつつ手作業でもつぶすことにした。
こうしてコロッケは完成した。名前は、同店を訪れる年配の方から子どもたちまで誰もが覚えられるようにと可愛らしく「ひらコロ」と名付けられた。
「ひらコロ」でもっと平塚をPR
開発にあたり、玉ねぎ栽培やしらす作りの現場を訪ねる中で、生産者の素材に対する想いを感じたという鈴木さん。「ひらコロ作りはうちだけでは無理で、皆さんの協力がないとできない」と語る。
今月から試作販売されている「ひらコロ」は、来月の「平塚商業まつり」出店に向けて、購入者へのアンケートを元に現在も改良が続けられている。
来年度からは、他の店でも「ひらコロ」を作ってもらい、ご当地コロッケとして売り出していきたいとも考える。さらに将来的には、どの店の味が一番かを競う「ひらコロコンテスト」開催、全国区のグルメグランプリ出場など夢は広がる。デパートの催事などに出店する機会も多い鈴木さんは「平塚のイメージは七夕ぐらいで、まだまだ知名度は低い。ひらコロを通してもっと多くの人に平塚を知ってもらえたら」と期待をかける。
新たな名物として、平塚の魅力発信・知名度アップにつながるか。小さな「ひらコロ」に大きな期待が詰まっている。
「ひらコロ」は来月1日の「第10回平塚商業まつり」にイベント初登場。3個入りが250円、6個入りは480円(いずれも税抜)。鳥仲商店☎31-0349
【写真下】鳥仲商店の鈴木社長(左)と鈴木専務

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