
平塚市吉沢地区で、主に犬を散歩させながら地域を見守る活動「吉沢地区安全安心の街づくり」(通称=わんわんパトロール)がこのほど始まった。住民が防犯について意見交換する中から生まれたという。地域の身近な課題に対し、住民中心で対応するこの取り組み。どのように始まったのか。
型犬の背中に付けられた黄色いユニフォーム。今回始まったパトロールでは飼い主は特別なことをするわけでなく、都合のよい時間にいつものルートで散歩させる。小型犬用にはリードに付ける「わんわんパトロール」と書かれたマスコットがある他、エリアが広く犬の散歩をさせる人が少ない地区では軽トラック用に「防犯パトロール」と書いたマグネットを準備し、地域の実情に合わせた活動となっている。現在地区全体で軽トラック6台、大型犬と小型犬合わせて20数匹が活動している。
この事業を始めたのは「吉沢地区地域運営協議会」。吉沢公民館や自治会連合会などの地域団体で構成されたネットワーク型組織で、互いに協力して地域の課題解決に取り組むため平成26年4月に設立された。その前身の組織も含め、これまでに「吉沢福祉村」立ち上げ、防災マップ作りを実施したことから、次は防犯に取り組もうとの声が上がったという。そこで平成26年12月、様々な団体が集まる「連携会議」の場で防犯に関するワークショップを行うなど、地域から様々な意見やアイデアを募った。その中から、小学生の登校時にはある程度の人数で見守りができているものの、下校時には不足しているのではないかとの声が出てきた。しかし新たに見守りのためのボランティアを集めるのもそう簡単ではない。ただ、同地区内のめぐみが丘には犬を飼う家庭が多いことから、夕方の下校時間帯に散歩する人がいれば見守りを少し補うこともできるのではないかとして、今回の案が出てきたという。その後、秦野市の同様の事業を参考にして、活動の内容が決まった。
課題解決に向け市がサポート
この事業に使う犬用のユニフォームなどを購入するため、吉沢地区地域運営協議会は平塚市の「地域課題解決推進事業交付金」を活用した。これは市が今年度始めた制度で、身近な課題に対して地域が主体となって取り組みを始める際、条件を満たす場合に、必要な費用を一定の額まで補助するというもの。他にも、交通量の多い幹線道路がある四之宮地区で見守り用ベストや旗を整備する活動など、合わせて4地区の活動に交付された。担当する市の協働推進課では「課題に対して地域の方々自らがその地域に合った独自の工夫を考えた際に、この交付金でお手伝いしたい」と話している。
住民力でより住みよいまちへ
同地区では、これまでの取り組みを通じ、今後も身近な問題が生じれば地域運営協議会で地域の声を聞きながら対応を検討し、難しい場合には行政に協力を求めるといった課題解決の流れがある程度できているという。同様の地区は他にもあるが、自治体の財政が厳しくなる中、行政の手が届かない問題に住民が協力して対応する必要性は今後さらに高まる。地元を住みよいまちにするには、地域課題に取り組む手法を多くの地区で共有することが求められていく。
【写真下左】小型犬用のスィング
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