今年3月、1つのボランティアグループが会員の高齢化や後継者不足のため解散した。他にも複数の団体から「若い人が入ってこない」「いつまで活動を続けられるのか……」という声が聞かれる。ボランティア団体など市民活動団体の現状は。
高齢化を理由に今年3月末に解散したのは、通院が困難な高齢者を病院へ送迎する活動を25年間行ってきた「平塚送迎ボランティアグループ」。多い時には80人弱の会員がいたというが、昨年には6人のみとなり、元会長の増田敏美さん(71)は「本当はもっと続けたかったのですが、最近は高齢者の交通事故が増えており、心配の声が高り、解散を決意しました」と理由を語る。ボランティア講座での呼び掛けなど新しい会員の募集も行ったが、会員の減少に歯止めがかからなかった。
300を超える市民活動団体が登録されているひらつか市民活動センターの職員・林田直子さんは「団体の中で、まさしく高齢化が問題になっているところです」と話す。同センターや平塚市社会福祉協議会によれば、高齢化や後継者不足を理由に解散・活動休止する団体は、ここ数年で年間2、3団体ほどあるという。林田さんは「阪神・淡路大震災後にいわゆるNPO法ができ、NPO法人が増えたが、活発に活動していた団体の中にもその後世代交替が上手くいかなかったり人材が不足するなどして、立ち行かなくなるケースが出ている」と現状を説明する。
試行錯誤する団体も
その一方で、新しい担い手を増やそうと取り組む団体もある。
相模川河川敷で自然観察会など環境学習活動を行っている「馬入水辺の楽校の会」は設立から15年。会員は100人に増えたものの、中心になって活動する幹事の多くは60代から70代に。「1人でも欠けると質が落ちるような状況です」と代表の臼井勝之さん(63)は危機感を抱く。そこで同会では会員とは別に、小学生から大人を対象に川遊びや環境保全活動を行う「エコアップ隊」を結成し、その中から普段の活動の延長線上で幹事になってくれる人を探そうと考えた。そして2年ほど前から参加者に対し手取り足取り教えることをやめ、準備から片付けまで自分たちでやってもらうように活動のスタイルを変えたという。「これにより参加者は『お客様』ではなく『自分事』になり、これを継続することで次の人材が生まれてくるのでは」と臼井さんは期待する。なお現在任意団体である同会は来春にNPO法人化する予定だ。
また、市内でパソコンサークルでの指導や相談会開催を行うNPO法人「ひらつかITサポート」においても、15年前の設立時に45人ほどいた会員が、自身の病気や家族の介護を理由に退会・休会する人も増え、現在は26人となった。会員の多くは60代から70代。理事長の鈴木敏介さん(68)さんによればボランティアのイベントなどで会員を募集しても関心を示す人はいるが、実際に加入する人はほとんどいないという。それよりも「この方は、という人に直接声を掛けてお願いするのが効果的です」と言う。中には、リタイア後の男性がHPを見て「自分の技術が生かせるのでは」と自ら入会してくれるケースもあるそうで、ある程度の会員数は維持できているという。
幅広い世代が参加できるように
数多くの団体を見ている林田さんは「明確な目的意識をメンバーが共有できている団体や、楽しそうに活動しているところには、人が集まりやすい」と指摘する。同時に今後の課題として、若い世代にどう市民活動に参加してもらうかを挙げ「若い人への働きかけをやっていかないと活動する人が増えない」とも危惧している。林田さんによれば、横浜や東京など都市部では「プロボノ」という社会人が自らの専門知識や技能を生かして社会貢献活動を行う人も増えているという。こういった動きが平塚でも広まれば若い世代の参加も期待できるかもしれない。
なお、ひらつか市民活動センター(八重咲町3-3)では様々な市民活動団体を知ることができる。
【写真TOP】
馬入水辺の楽校の会の活動の様子(同会HPより)
【写真下】
平塚送迎ボランティアグループの会員(右が増田さん)/ひらつかITサポートによるパソコン交流カフェ
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