
諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進む日本。国民の4人に1人が65歳以上という現在、平塚市内でも人口の26.3%、6万7,326人が65歳以上の高齢者となっている(平成28年1月1日現在)。介護保険料も、介護費用も、要介護認定者も右肩上がりに増えていくと予想される今、公的機関の施設・制度だけでなく民間での取り組みが重要になってきている。
さらなる高齢化社会に対応するために、厚生労働省では団塊の世代が75歳以上となる2025年を目安に「住み慣れた地域で、最期まで快適に安心して暮らす」ことを目的にした地域包括ケアシステムの構築に力を注いでいる。平塚市内では「平塚市高齢者よろず相談センター」という愛称で、現在8拠点が運営されており、高齢者本人やその家族から幅広く相談を受け付けている。年間の相談件数は延べ14,275件(平成27年度)。この先も増えていく見込みだという。また、1拠点あたりの対象人数が10,000人を超えるような場所もでてきたことから、この10月に2拠点、来年4月に3拠点を新設・再編成し、より地域に密接に関わった運営を目指していく。
民間の力で
一方で民間団体にもそういった相談窓口はある。「安心生き活き倶楽部」はそうした市民団体の1つ。代表の秋谷みゆきさんは、自身が介護職に携わる経験や知識を広く一般市民に還元したいと考え、昨年12月に同団体を立ち上げた。
ことの起こりは自身が介護に関する勉強会に出席した時のこと。ある老婦が「夫の片足が麻痺してしまい、どう介護していけばいいか」という悩みを抱えていた。状況的には、おそらく介護保険サービスが受けられるケースだったがこの女性は「どこに相談すればいいのか、何を相談すればいいのか」が分からずにいた。「こういった人は意外に多い」と秋谷さんは話す。さらには日本人的な気質なのか「介護サービスを受けるのは申し訳ない、恥ずかしい」といった考えも一部には残っているという。 同団体は主に「在宅介護」に関する相談を広く受け付けている。ケアマネージャーやライフプランナーなど、専門知識のある人を紹介し、悩みや問題に対する回答のマッチングを行っていくのが基本的な活動だ。またここでいう「在宅介護」とは高齢者に限った話ではない。一口に介護と言っても、身体障害・精神障害・難病など年齢に関わらず介護を必要とする人は存在する。これらの悩みを抱える本人やその家族の手助けを少しでもできればと秋谷さんは考えている。
社会との繋がりを
これらの活動の土台には被介護者であっても社会の枠組みの中で生きていってほしいという願いがある。介護を受ける側になることで社会との繋がりが薄れてしまった人を秋谷さんは仕事柄多く見てきた。平塚市内にも特定の疾患や問題を抱える人たち同士の集まり、市民団体は数多い。出来るだけ多くの人がそういった団体を知り、話を聞いたり参加することで、社会との関わりを繋ぎ止めることも必要だと考えている。秋谷さんは「今後は市民団体や企業も含め、横の繋がりを深めていきたい」と話す。悩みや問題に対するベストな答えは人によって違う。であれば選択肢は多い方が良い。「行政の取り組みももちろん重要だが、市民や民間企業が動いてこそ地域連携は深まっていく」と活動の重要性を訴える。
同団体は10月20日(木)〜22日(土)に開催される湘南ひらつかテクノフェアにブース出展するほか、11月3日(木・祝)にはフォーラムを予定している。
自分にとって、家族にとって「介護」は人ごとではなくなる時がいつか来る。今まさに悩みを抱えている人も、これからの将来に不安を抱えている人も、知識・情報をしっかりと得て、できる限り安心で快適な介護生活を送りたい。
◇湘南ひらつかテクノフェア
日時:10月20日(木)〜22日(土)10時〜17時(最終日は16時まで)
会場:ひらつかサン・ライフアリーナ(平塚市中堂246-1)
問い合わせ:同実行委員会
☎0463-22-2512
◇安心生き活き倶楽部第1回フォーラム
日時:11/3(木・祝)13〜15時
会場:市民活動センター会議室B
問い合わせ:同団体
anshin.ikiiki@gmail.com
【写真】
安心生き活き倶楽部代表の秋谷さん/市民活動センター。473団体が様々な活動の拠点としている/高齢者よろず相談センターのひとつ「とよだ」。各地の福祉施設の中にセンターを構えている
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