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新春インタビュー常盤新会頭の描く平塚ビジョン

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 昨年11月1日、9年にわたり平塚商工会議所の会頭職を務めた福澤正人前会頭が勇退し、新たに株式会社トキワヤ(紅谷町12−29)の代表取締役、常盤卓嗣氏(61)が会頭職に就任した。就任から2ヶ月、今、常盤新会頭は平塚に何を見て、何をしようとしているのか。平塚のまちづくり、目指すべきまちの形とは──。

── 改めてこの2ヶ月を振り返っていかがでしょうか?
 改めて大変な重責だと、実感しています。今まで平塚青年会議所の理事長だとか、商工会議所青年部会長だとかやってきましたが、さすがの私も夜寝られないくらいです(笑)特に福澤さんより13歳若いので、上の世代の人の見方ってちょっと厳しいんじゃないのかなって自分でも感じたりしますね。
── 福沢さんとは世代が一回り違いますね。
 一回り以上違いますから。「大丈夫かあいつで」と思ってる人もいるんじゃないかなと。それぐらい大変な役です。
── 身の回りの環境に変化はありましたか?
 環境というか自分自身の時間管理とか、スケジュールとかは自分できちんと把握しておこうと意識しています。朝必ず一回事務局に電話して「これでいいんだよね」という確認をしています。
── 新しい会頭になった以上は違う風を吹かせていきたい?
 それは当然ですよね。もちろん。
── まず取り組んでいることはどんなことでしょうか?
 事務局をはじめ、今まで話をしなかった人と話す機会を持つようにしています。今まで良かったことでも、もしかしたら変えていかなきゃいけないことがあるならお互いに議論していかないと。会員のものですからね。会員から会費をいただいて運営しているんで東京都の「都民ファースト」じゃないけど「会員ファースト」で。この会議所に1回でも足を運んでもらって、「会議所って役に立つんだ」とか「入って良かったよ」っていう風に思ってもらえれば。門扉を開いていかなきゃいけないと思いますね。
── 現在、商工会議所の会員企業数はどれくらいでしょうか?
 約2,500社、準会員を入れると2,800社ぐらいですね。それらの中には会議所に来ない人、一度も会わない人もいるかもしれない。
── 具体的に商工会議所とはどんな組織なんでしょう?
 それぞれの企業を成長させるためのお手伝いですね。創業・起業から経営のアシストまで。なんでも相談できる場所です。
 一般に開かれたセミナーなんかもやってるんですよ。パソコン教
室とかよろず相談とか、これを発信していって、一般市民の方にも使っていただけるようにならないとおかしいですよね。
── 9年務められた福澤会頭の後ですが引き継いでいきたいのはどういった部分でしょうか?
 福澤前会頭は行政とうまくタイアップして、行政が口を出しにくい部分を代弁するなどうまくやっていらっしゃった。非常にうまくタッグを組んでいたと感じています。そういう補完しあうような関係性は継続していきたいですね。
── 逆に変えていきたい部分はありますか?
 議員の中で、議員の役目・立場がありますが総会などに1年に1回か2回でて終わってしまうのではなく、会議所の議員であるということで運営に責任を持ってもらうような形にしたいです。議員と執行部と事務局としっかり話をして「商工会議所はこういう風にするべきだ」っていうのが議員の中からでてくるようにしたいです。── その点では物足りなさを感じますか?
 全然物足りない。トップダウンというか、「トップがこういう風に言ってるから」みたいな風潮がありますよね。議員総会の中で、どんどん意見を言っていただきたい。そうでないと活性化しないんじゃないかな。みんな色々考えてることがあるだろうからそれを引き出していきたいです。約2,500社の企業は必ずどこかしらの部会には所属しているから自分の部会には出席できる。必ず自分の意見を言うチャンスはあるからそれを汲み上げていけるようにしたいです。
── 「まちづくり」というのは商議所として大きなキーワードかと思うんですが市内の商工業について思うことは? 大手の上場企業はさておき商工会議所を支えているのは中小・零細なんですよね。その人たちの事業が継続できるか、後継者が育つかっていうのがこの街の将来に一番大事じゃないかと思います。
── 世代交代が重要なんですね。
 私と福澤さんが変わったのも一つの世代交代ですし、それと同じように。商店街で閉まっている店があったときに、どこかにアパートを持っていたり駐車場を持っていたりで商売をやらないでいい人もいるかもしれない。そういう人たちはなかなか前に進む仕事は難しいかなと思うんですね。リスクを取らないでもいいというか。後継者側も安い給与ではなかなか跡を継ごうとは思えない。辞めてしまうところがあるなら新しい人に入ってもらう。そういうサイクルが必要じゃないかと思うわけです。
── 後を継いでもらう、あるいは創業するというときに商工会議所がすべきことは?
 創業者支援は積極的にやっていますよ。もっとも創業する人は意欲があるから後を取る人の方が難しいんですよね。起業家の方がこれがやりたいって自由に言えるけど長くやってる店は「色」がでちゃうからそれを変えていくのも大変なのかな? 私自身、親の世代は学生服と婦人服をやっていましたが、今は学生服一本にしました。
── どういう思いがあったんでしょうか?
 どこでも買えるものは好きなところで買えばいいじゃないですか。でもそこでしか買えないものを買いに行くお店にしなきゃいけない。そういう店づくりをして「うちの商品はこれ」「うちの技術はこれなんだ」っていうことができるかが商工業の全てかなと。そこでしか買えないからみんな行くし、そういうものが欲しいんですよね。地域で残ってる店ってみんなそうで、それぞれ自分たちにしかできないことを創意工夫しています。
── まちの特徴・目指すべきものは?
 平塚は絶対住みやすいと思うんです。暖かいし東京にも近いし。ただ最近言われるのは鉄道の駅が1つしかないとか、自転車で中心街に来る人がアクセス悪いとか。自転車で来る人が多いのに自転車を排除する方向になってるでしょ。あとはなんでもあるんだけど目立つものがない。これを一点集中にしたいです。
── 特徴が同時に課題にもなっていると。
 特に課題は駅周辺。駅を降りてシャッター街だったら価値は下がりますよね。いくら歩いて15分でららぽーとがあるからといっても駅を降りて最初に見る場所のシャッターが降りてたら「このまち大丈夫?」ってなりますよね。住む人も初めて来た人もそういう印象になってしまう。
── バスロータリー周辺に人が少ない、店の明かりが付いていない、印象ですね。
 駅周辺に人がいて店がやってることがまちの価値だと思う。駅の周りにお金をかける必要がある。第一印象はそれで決まる。行政も民間ではできないことをやってほしいですね。空き家問題一つ取っても行政が介入することで改善する部分はあるんじゃないかと考えています。
── 改善するためにはどうすればいいでしょう?
 長期的な目で見れば小さくてもいいから再開発が必要になってくるかと。過去にとらわれずに変えて行く必要がある部分はたくさんありますよ。本質的に自分たちの仕事を見つめ直すような必要がある。
── ららぽーとオープンで思うことは?
 ららぽーとに来るお客さんの中には市外から来ていただいている方も多いようで一定の効果があったと思います。若い人たちもああいう店ができたら嬉しいでしょうね。かといってららぽーとのせいで店を閉めたという人はあまりいない。商店街はららぽーとにできないことをする場所にしないと。
── ツインシティや道の駅の話など動いていますが。
 道の駅とは違いますが平塚の漁港に人を降ろすような仕組みがあるといいなと思います。国道134号から港に降りてもらって、そこでちょっとご飯を食べられるとかね。開発も大事ですが今あるものを活かす仕組みが必要だと思いますね。
 ツインシティもどういう形になるかわかりませんが、二俣川と湘南台を結ぶ相鉄いずみ野線が倉見まで延びてくるらしいので、そこからどう平塚に出てもらうか考えないといけない。そうすると相模線かなと。今、相模原商工会議所がリニアの駅ができるのに向けてJRに相模線複線化の要望を出したんですよ。なのでこれを機に平塚、茅ヶ崎、厚木、海老名、相模原の広域連携で複線化や延伸を盛り上げようという話があって既にこの3月に会議のセットができています。倉見まで行く手段として相模線を平塚まで延伸してもらって、かつ、個人的な考えですが相模貨物駅を“平塚西駅”にまでできれば。そうすると旭エリアが便利ですよね。電車なら15分に1本でも30分に1本でも時間が確約されてますから。ツインシティそのものよりもそれを活かす、インフラ整備が重要だと思います。
── 市内の道路についてはどうお考えですか?
 基本的に南北の道はバッチリですから。銀河大橋の先を延伸する計画があるからそれだけでも結構変わるかなと。逆に将来の車の保有台数ってどうなると思いますか? 都内に住んでるご友人とか車持ってないのでは?
── 確かに都内では5分歩けば〇〇駅、逆の方向には別の路線。とかが普通ですね。平塚は違いますから公共交通機関が必要でしょうね。
 近年、高齢者の事故が多いですよね。そうすると考えられる動きとして「何歳以上の人は必ず免許を返納しなさい」とかになるかもしれない。「その代わりに公共交通機関を利用しやすくします」などにするとますます駅周辺が大事なエリアになりますよね。アメリカなどでは郊外のショッピングセンターはどんどん潰れているそうです。そうするとやっぱり中央、駅周辺に人が来やすいようにならないと。
── 行政の動きに働きかけたいことは?
 平塚市の商業の売り上げは昔は1兆円を超えていたのが今は5000億円台です。昔と同じ感覚で税金を取られるのはかなり苦しい。固定資産税を下げてもらえるような仕組みは働きかけたいです。固定資産税に限らず新しく商売をはじめた場合に減免を受けられるとかですね。工場もそう。地方へ、海外へ、という流れだし、特区などを設けて「(市内に)残ってほしいからこうします」というのがないと。
── 広域連携を考えてらっしゃるようですが他の市町村の商工会議所、商工会を見て思うところは?
 平塚がなにもしていないわけではないですが、小田原商工会議所の70周年の式典に出席して感じたのは、やはりまちづくりの将来展望がしっかりしている。商工会議所として、まち全体の「絵」を描いていくことが必要ですね。広域連携の中で平塚商工会議所がやっていないことはやっていかないとダメですよね。それが全てではないでしょうか。
── より活発に動いていく必要がある?
 みんな仲が良いんですよ。相模原・海老名・厚木・茅ヶ崎・秦野・小田原とかは比較的話が通る。「嫌がるかな?」と思うような話に「いいね」と言ってもらえます。先に出た相模線の話も嫌がられるかなとも思いましたが反応が良かったです。行政もそうですよね。一つの自治体でどうにもならないことは連携しないと。
── 次世代に期待したいことは?
 先日、ニュース(小中学生の全国学力テストについて)になっていましたけれど教育ですね。せっかく市内にはいい施設がいっぱいあるんですから。環境はいいから平塚の良さを知ってもらって、教育について平塚の場所で真剣に考えられる人に住んでもらいたいですね。
── やっぱりあの結果(平塚はいずれも全国平均を下回った)は危惧しますか?
 それはもちろん! 会議所として声を上げる部分ではないかもしれませんが、まちとしては一番大事な部分だと思いますよ。
── 最後に市民のみなさんにメッセージを。
 大好きな平塚に生まれ育って、平塚で商売をやらせていただいてますので、まちのためにみんなで知恵を出し合って、とにかく平塚のまちが「住んで良かった」と思われるようにしたいです。そのために仕事を全うしていきます。
── お忙しい中ありがとうございました。
 こちらこそありがとうございました。みんな見てるから大変です。緊張して寝れないのは本当ですからね(笑)

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