
県内でも有数の規模を誇る平塚のいちご産業。JA湘南のいちご部会に所属する22の農家が生産するいちごは県の品評会でも高い評価を受けている。市内にはいちごの摘み取りができる農家も多い。今週はいちご狩りを楽しめる農家の1つ、小鍋島の「すぎやまいちご園」(杉山圭一代表)を訪ね平塚いちごの魅力に迫る。
この記事は湘南ケーブルテレビ局(SCN)との共同企画により制作しました。湘南チャンネル(CATV002ch)で放送中の「情報カフェ! 湘南館ワイド」では、平塚市役所で行わえれたいちご品評会の様子をお送りします。今回の番組は1/30(月)まで放送中(12時~12時40分、19時~19時40分ほか)。
「生産するいちごの9割はいちご狩り、残りの1割は直売でなくなっちゃうね」と話す杉山さん。1月から5月のシーズン中に1万人を超える来場者が訪れいちご狩りを楽しむという。多くは横浜や相模原など県内からの来訪者だが、圏央道の効果もあり都内や埼玉、山梨など遠方からの客も年々増えているそうだ。杉山さんはいちご農家の3代目。祖父の代からいちごを作り始めて37年になるという。
同園の魅力の一つは食べ比べができる、ということ。330坪のビニールハウスで7品種、試作段階のものも含めると9品種を栽培しており、“紅ほっぺ”や“おいCベリー”、“とちおとめ”などタイミングが合えばどのいちごも楽しめるという。いちごはかがまないですむ高さで作られており、赤く色づいた果実が鈴なりに垂れ下がっている。「週末にお客さんが食べちゃうから月曜日にはすっかりなくなっちゃうけどね」と笑う。
美味しさの秘訣
いちごの旬は本来春先から初夏。だが現在はハウス栽培が主流のため冬の終わりから楽しめる。「いちごに如何に春が来たと錯覚させるか」が大切と話す杉山さん。照明を使用しいちごを照らすと共に炭酸ガスを発生させて二酸化炭素を補い光合成を促進させる。電球は白熱球にこだわる。「LEDの方が電気代は安いが白熱球は遠赤外線効果がある」と生産終了間際には大量に仕入れたという。
受粉を担当するのはミツバチ。寒い時期は動きが悪いこともあるそうで、マルハナバチや受粉専用に品種改良されたハエなども併用する。これだけ昆虫がいると農薬は使えない。特に花が咲き始めてからは一切使わないという。ヤシ殻をベースにした有機培地で栽培するいちごはほぼ100%有機栽培。
「いちごが欲しがってるものは全て与えるように細かく管理している」とこだわりを見せる。新品種の開拓にも余念がない。特に甘雫姫などは紅ほっぺに代わる品種として期待しているという。
いちご狩りへのこだわり
オススメのいちご狩りシーズンを訊くと「花が咲いてから実がつくまでに時間がかかると酸味が抜けるんだよね。今色づいてるのは50日前に花が咲いたもの。これが暖かくなってくると45日、40日と短くなっていく。万人受けする“甘いいちご”なら今の時期、甘酸っぱいのが好きな人はもう少し遅い時期がいい」そうだ。いちご狩りがメインだからこそ、もてなしの心は大切にしている。「この辺は観光地ってわけじゃない。目的がいちご狩りなんだから、そのいちごが美味しくなかったら話にならない」と情熱を注いでいる。品種ごとに味わいが微妙に違うのでそれぞれの個性がしっかり出るように仕事をしているという。
食べ比べなので歩き回って好きないちごを見つけてほしいとの思いから通路も広くとり、休憩用のベンチなどもある。ゆっくりと食べてもらうために時間も少し長めにとっている。「昔、いちご狩りの師匠に言われたよ。『世間のお父さんは休日にゆっくりしたいのに家族のためにいちご狩りにでかける。それをねぎらってあげなきゃダメだ』ってね」。いちごの美味しさ以上の価値を提供したいというわけだ。
同園以外にも市内にはいちご狩りを楽しめるスポットがある。わざわざ県外まで出なくとも地元のいちご園で一足早い春を感じてみてはどうだろう。
同園を含む市内のいちご狩り情報は「平塚市 いちご」で検索
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