
火事や災害の際、消防職員らと共に地域を守る役目を担う消防団員。6年前の東日本大震災を始め、相次ぐ災害の時にも頼りにされる存在であるが、その数は全国的に年々減少しており、担い手を確保するための取り組みが各地で行われている。先月、大磯町消防団も女性団員の募集を開始した。現在の団員数は12分団合わせて176人。定数184人に占める充足率は95%と高いにも関わらず、なぜ女性が必要なのか。そしてどのような活動が期待されているのだろうか。
消防団員は、全国で856,278人(昨年4月時点)。年々減り続け、この20年で10万人以上減少している。地域防災力の低下を懸念し、国は女性団員を増やすよう自治体に働きかけてきた。それを受けて女性の数は毎年増加を続け、23,899人(同)となっている。
女性団員の募集を始めた大磯町消防団の奥野和夫団長はその背景について「昔は職人さんや自営業など地域で働く人がたくさんいたが、今は町外に働きに出るサラリーマンが多く、団に入る人を探すのはなかなか大変」と話す。新しく入る若手が少ないため、同じ人が長く務めるケースも多い。そのため団員の高年齢化が進んで平均年齢はじわじわ上がり、昨年4月時点で全国平均の40.5歳より高い43歳となっている。団の中では、数年先の状況を考えた場合に次の世代が育っていないとの危機感が強いという。
期待される役割
そこで町では新たな担い手を育てるため、まず学生への呼び掛けを始めた。成人式で声をかけたり、就職活動の際に活用できる「消防団活動証明書」を交付する制度を導入したりして、来月から1人が入団する見込みだという。
今回の女性団員募集は、担い手確保の第2弾である。そこで気になるのが、体力の違う女性にどの程度の活動ができるのかという点だが、奥野団長は「女性ができることはたくさんあります」と力を込める。団の活動は、火災の際の出動が平均年に2回ほどで、実際には平常時の方が多いという。女性団員には火災予防の呼びかけや地域の防災訓練への参加のほか、災害時には情報を集めて整理するなどの後方支援活動が想定されている。さらに第6分団(国府新宿地区の一部)分団長の丸山重信さんは、団員15人中13人が会社員で日中は地域にいないことが多いと指摘し「地域にいる女性に昼間活動してもらえたらいいですね。例えば団員が巡回して地域の方に安心感を持ってもらうのも大事な活動ですから」と話している。
県内では女性が活躍中
1市2町には、「平塚パワーズ」「女性防火クラブ」(大磯町)「女性防災隊」(二宮町)といった女性が活躍する防災グループはあるが、いずれにも消防団員としての女性はまだいない。県内を見渡せば、1,100人を擁する横浜市を始め、33の自治体のうち半数の17自治体で約1,300人が活動中だ(昨年4月時点)。近隣の茅ヶ崎市でも、女性団員が火災予防の啓発や訓練のほか高齢者宅を訪問しての防火指導などで活躍している。
奥野団長は「地域のことを知りたい」「町の活動に参加したい」などの理由から消防団に関心を持つ人もいるので、そうした人を入団に繋げたいと話している。
◇募集締め切りは今月21日(火)。問い合わせ=大磯町消防本部消防総務課☎61-0911
【写真TOP】茅ヶ崎市の女性消防団員(提供=茅ヶ崎市消防本部)
【写真下】第6分団の点検の様子/奥野団長(左から2人目)と副団長の3人
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