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全国逸品セレクションでグランプリ 御刃物処 桝屋の極上卸金

1117 2面 桝屋 全国で一店逸品運動に取り組む団体が一堂に集い、自慢の逸品を紹介する「第6回全国逸品セレクション」が2日に開催され、平塚逸品研究会(会員41店舗)から選抜された「御刃物処 桝屋」(平塚市明石町)の「手打目立銅卸金」がノンフード部門でグランプリを獲得した。
 手打目立銅卸金は職人の手作業で目立て(刃付け)をしたハンドメイド卸金。目の一本一本が包丁の刃のようになっており、組織を壊すことなく繊細で淡雪のような大根おろしを簡単に作ることができる。目がへたっても削り直すことができるため、一生モノとしてはもちろん、子や孫へ受け継いで代々使っていくことも可能。銅の上に抗菌作用が強い錫のメッキを施しており、卸してから時間が経っても劣化しにくいという。また、表面は大根おろし用に、裏面は薬味用にと2種類の使い方ができる。
 同店は元々、現店主の髙橋奈緒子さんの夫、經祺さんが5代目として店を支える傍ら、逸品研究会にも所属し店の魅力を発信しようと試行錯誤していた。だが2年前に奈緒子さんと生まれたばかりの子どもを残して突然の他界。以降は家族や仲間に支えられ、奈緒子さんが店を切り盛りしている。「ツネちゃんは逸品が大好きで。他のことは大変そうにしてても研究会の帰り道だけは『今日はああでこうで……』と楽しそうにしてました」と奈緒子さん。呼び方1つ取っても、今もそこにいるような、亡夫への思いが滲み出る。「その逸品でこうした賞をいただけて、純粋に嬉しかったです」と笑顔を見せる。
 今後は「主人の目標でもあったんですが、平塚の半分の人に店を知ってもらいたい。ツネちゃんは生前、大門通りという通りを小町通り(鎌倉)や仲見世通り(浅草)みたいにしたいって話していました。それが叶うといいな」と思いを馳せる。人当たり良く朗らかな奈緒子さんだが、今でも亡き夫の話になると目には光るものが。奈緒子さんが經祺さん亡き後も、それこそ生前言葉を交わした以上に対話をしてきたことの証だろう。今も店には五代目として、夫として、あるいは父としての經祺さんの息遣いを感じることができる。
【写真】卸金とトロフィーを手にする奈緒子さん

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