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オーレベルマーレ |2015.07.03

オーレベルマーレ2015:#742 アルウィンに吹いた湘南の風

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OLE写真  川崎戦・新潟戦と、先制するも逆転負けを喫し、2連敗中の湘南。1stステージ最終戦は、今季共に昇格した松本山雅とのアウェイゲームだ。
開始前から強く吹き続けたアルプスの風の恩恵を受けるためにコートチェンジを選んだ前半、チャンスを作るも決めきれず0-0で折り返す。後半はロングボールを攻撃の主に使う松本を相手にするには不利な風下を迎えるはずだった。しかし、風は止み、「アルウィン(松本のスタジアムの通称。アルプスの風を意味する造語)は湘南に味方するのか」そう感じた後半スタートだったが、53分、PA内で相手選手とフェアに競り合った菊池大介のプレーがファウルと見なされ、不運にもPKで失点。湘南らしいサッカーで主導権を握っていただけに「運に見放されてしまったか」と思った直後、セットプレーから相手のオウンゴールで幸運にも追いつく。そして73分、昨季の大怪我の復帰後、なかなか調子を上げられずにいた右サイド古林将太の中央への切り込みからの見事な左足のミドルシュートで逆転。彼を信じて先発起用した曺監督を目掛けて一直線に走る古林の姿が監督のチームにおける信頼感を物語る。  残り15分から松本は前線の長身選手オビナを目掛けて得意のロングボール戦法を取るも、ディフェンス陣が粘り続け、なんとかリードしたまま迎えた87分、そのオビナがヘディングで落としたボールを、奇しくもかつて湘南をJ1昇格へ導いたストライカー、阿部吉朗が決め土壇場で試合は振り出しに。
残り2分、曺監督は、今季開幕前から怪我で戦線離脱していた藤田祥史を最後のカードとしてピッチに送り出す。「絶対諦めない」というメッセージが込められた攻撃的な采配だ。湘南ゴール裏の約1,500人のサポーターもチームの勝利を信じ、あらんかぎりの声で選手を鼓舞する。
直後、それらが風の止んだアルウィンに追い風を吹かせる。左サイド三竿から放たれたクロスボールに「勝利を信じた」最後のカード、藤田のファーストタッチでのヘディングシュートがゴールに突き刺さり、再び勝ち越し。長い長い6分ものアディショナルタイムを守護神、秋元陽太のビッグセーブで凌ぎ、湘南の勝利を確定させるホイッスルが鳴り響く。かつて「2点取られても3点取って勝つ」サッカーと形容されていた“湘南の暴れん坊”をこの1stステージの最終戦、しかもその“湘南の暴れん坊”を選手・監督として担っていた反町康治率いる松本に演じて見せたのだ。
試合後の曺監督の「うちはラッキーなゴールや運があるような展開に持ち込めることが1stステージではなかなかできなかった」というコメントにある通り、確かにここまで運に助けられたような試合はなかったのだが、それでも悔しい思いをした2013年の年間勝利数「6」を1stステージ終了時点で達成できたのは、結果の良し悪しに関わらず「湘南らしいサッカー」を貫き通してきた彼ら自身の成長と身につけてきた底力の賜物と言えよう。さらに、今節のようにラッキーなオウンゴールで運を引き寄せた先に、古林や藤田といった怪我で苦労した選手が監督の抜擢にこれ以上ない結果で応えたのを見れば、総合力で闘う湘南の2ndステージにおける大躍進を、かつてリーグ終盤まで優勝争いをしたあの“湘南の暴れん坊”の再来を期待せざるを得ない。えとき)開幕前から本紙インタビューの“期待して欲しいプレー”として挙げていた「中央へ切り込んでからの左足のシュート」を見事に決めた古林将太
TEXT:濵田拓郎PHOTO:湘南ベルマーレ
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