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バニューシネマパラダイス:シーン68『後妻業の女』

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『後妻業の女』(2016/日本)
監督・脚本:鶴橋康夫
出演:大竹しのぶ/豊川悦司/尾野真千子/永瀬正敏/津川雅彦 他
シネプレックス平塚他にて公開中。
 かつて東宝のヒットメイカーだった伊丹十三監督の『マルサの女』に代表される、『女』シリーズを彷彿させる、予告とポスターに惹かれて劇場に向かった。後妻業とは、連れ合いと死別か離婚をした熟年男性の資産を狙って近付く詐欺師のこと。この奇妙な生業の女と彼女の相棒でありながら抜け目のない結婚相談所の所長を中心に、騙されていく男たちの顛末をブラックな群像喜劇に仕立てている。伊丹映画ならば、徹底した取材とアクの強い人物描写で “お仕事ハウトゥ”ものとして描いたであろう。実際、東宝からは鶴橋監督にその線で描けないかという提案をしたようだが、鶴橋監督はハウトゥものにはせず、そうとしか生きようのない人間の“業”と“哀れ”を描くことに力を注いでいる。騙す方も騙される方も、どこか物悲しげで孤独だ。かつて二時間ドラマ枠で、鶴橋監督と大竹が組んだ「愛の世界」は、女性新聞記者がスクープ欲しさに存在しない女の人生を捏造して追い詰められていく話だった。二つの作品には、通底する視点がある。人間とはなんと愚かで愛おしく、しぶとい生き物であろうか、と。
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文とイラスト:竹内清人
1968年生まれ。映画宣伝を経て、『戦国自衛隊1549』で脚本家デビュー。
現在、平塚の片隅(馬入あたり)で執筆活動をつづけている。
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