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バニューシネマパラダイス:シーン86『22年目の告白−私が殺人犯です−』

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映画0623
『22年目の告白−私が殺人犯です−』(2017/日本)
監督・脚本:入江悠 脚本:平田研也 
出演:藤原竜也/伊藤英明/夏帆/仲村トオル 他
シネプレックス平塚他、全国にて公開中。
 藤原竜也といえば、今や、ものまねネタにもなるほど際立った演技で注目される俳優。『デスノート』シリーズや『カイジ』など、演じるキャラクターも善悪の二項対立では分類しかねる複雑な内面を持つ人物が多い。本作で彼が演じるのは時効成立後、自らの殺人告白本を出版し、マスコミの寵児となる殺人犯。人を食ったキャラは、同じくワーナー製作『藁の盾』で、懸賞金を懸けられて日本国民から命を狙われる連続殺人犯にも通底する。一方、すんでのところで藤原を取り逃がし、時効成立後は復讐しようとする被害者遺族から彼を守らざるをえない状況に置かれる刑事の伊藤英明も、『海猿』以降、定着したマッチョなイメージ通り、正義感と任務の間で葛藤する男臭いキャラを演じてみせる。が、そうした二人の俳優のセルフイメージこそが、本作の大きなミスリードだといってもいい。他にも、胡散臭いおっさんを演じれば右に出る者のない岩松了や生来のポーカーフェイスで、社会派TVキャスターを演じる仲村トオルも、見事なトリックスターぶり。配役そのものが仕掛けを果たす、秀逸なミステリーである!
kiyoto01
文とイラスト:竹内清人
1968年生まれ。映画宣伝を経て、『戦国自衛隊1549』で脚本家デビュー。現在、平塚の片隅(馬入あたり)で執筆活動をつづけている。オリジナル小説『躍る六悪人』全国書店にて絶賛発売中!
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