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ヘッドライン |2018.09.24

90歳の水泳選手・安池一雄さんアジアマスターズ水泳選手権で4つの金メダル

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大磯町の安池一雄さんは、90歳の今も現役のスイマー。7月開催の第1回アジアマスターズ水泳選手権大会(名古屋市)において、4種目で金メダルを獲得するなど、これまで数々の大会に出場し優秀な成績を残している。17日は敬老の日。長い人生をどのように健やかに過ごしているのか、お話を伺った。
 大磯の海岸近くで生まれ育った安池さん。子どもの頃から兄弟らと共に、海で泳いで遊んでいたという。その後本格的に水泳を始め、大学時には国体にも出場するなど平泳ぎの選手として活躍した。ところが30歳の頃、中耳炎を患って泳ぐことを止められ、以来40年以上中断していた。その後、75歳で大手物流会社を退職し時間ができたことから、水泳を再開。各地のマスターズの大会に出るようになった。
 ほかの選手の中には80歳を超えると体力が落ちて泳げなくなる人もいたが、自分の体と相談しながら練習を重ねた。昨年こそ病気で欠場したが、そのほかは大きく体調を崩すこともなく、大会に毎年のように出場を続けるうち徐々にメダルを取れるようになり、これまでに200個ほどを獲得したという。
 今回の大会では平泳ぎと背泳ぎのそれぞれ100・200m計4種目で90~95歳の部に出場。同じ部門に出るのは1人か2人とはいえ、特に200m平泳ぎは体力を消耗する。それだけに少し自信はなかったというものの、「金だけ狙って」最後まで泳ぎ切った。「運が良かった」と謙遜するが、背泳ぎが楽になるようオリジナルのフォームを考えるなど、自分で工夫を重ねる。今は週3回プールに通い、30分ほどかけて約500mを泳いでいる。
趣味に忙しい毎日
 誰しも気になるのが、その歳まで元気でいられる秘訣だろう。
 まず毎朝布団の中で、自ら考えた体操を行う。ゆっくりと深呼吸をした後、手足や腰を動かしてストレッチ。これを15分やると朝すっきり起きられるという。また、食事は時間を決め、間食をしない。妻のトシ子さん(85)が作る料理は何でも食べる。「大磯の風土がいいんじゃないかな。青魚をよく食べるし」と言うが、もちろんそれだけではない。
 「遊びで忙しくてね」と話す通り、毎日何かしら予定が入っている。プールとグラウンドゴルフが各週3回、加えていくつもの趣味を持つ。油絵を若い頃に先生について習い、海から見える富士山などの風景画や伊藤若冲の作品をモチーフにした数々の絵を描いてきた。俳句も長年作り続け、旅行先の絶景や普段の暮らしの中での季節の移ろいなどを詠んだ句は、これまでに4,770句。5千句を目標に、まだまだ先を目指す。そのほかカラオケやマージャンもやり、ちょっと空いた時間があれば近くの公園で体操と、とにかく「家でぼーっとしていることはない」というから驚きである。
自分との勝負
 そして、グラウンドゴルフでも水泳でも負けたくないと言うほど、まだまだ気力も充実している。だから練習中「疲れた、やめたい」と思ったことはない。レースの時に少しきついと感じる時があっても、これは自分との勝負だと捉えてがんばれるのだという。「自分にもライバルにも勝ちたい」との思い。元気でいるためには、そうした気持ちの部分も大きく作用するのだろう。
 安池さんの話からは、長い人生で張り合いある日々を過ごすには、趣味やボランティアなど何か自分が「やりたい」と思うものを持つこと、しかもリタイア後でなく若いうちから見つけておくことが大切だと感じる。
 また、いろんな会話のできる場も必要だという。自身は、グラウンドゴルフの後にお茶を飲みながら、人生経験豊かな仲間と話をするひとときが本当に楽しいと笑顔をみせる。
 今月末の大会にも出場を予定し「100歳になっても泳ぎたい」とその意気込みを話す。長い人生だけに、これまでには様々な苦労があったに違いない。それでも今、充実した毎日を送る安池さんの姿は、多くの人に力を届ける。
【写真】
1)若い頃と比べ体つきは変わらないという安池さん
2)大会に出る際の新幹線やホテルは自分で予約
3)以前の作品。新作に向け下絵を制作中

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