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ヘッドライン |2018.11.23

草花で日常を彩るはなの仕立て屋 Yurari 高橋静恵さん

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日常の何気ない風景を彩る花や植物。生花からアレンジメントまで様々なものがある中、大磯在住の「はなの仕立て屋Yurari」の高橋静恵さん(53)の創る作品は馬蹄や鹿角などを取り入れ注目を集めている。今号は彼女が生み出すフラワーデザインの世界をご紹介。

 高橋さんの作品の特徴の1つと言えるのが馬蹄や鹿角などを取り入れていること。色とりどりの花はもちろん、植物の葉や実などをあしらった作品は、鮮やかな中にもどこかノスタルジックで叙情的で、素朴な表情も併せ持つ。今の時期は花だけでなく10種ほどの植物を使ったリースや、花材を束ねた壁掛けのスワッグも作る。単に色とりどりの花を押し出したものだけでなく、植物が持つ様々な魅力を引き出している。
 高橋さんは23年前に夫の仕事で縁があったという大磯に移住してきた。「海と山があるところがいいですよね」とにこり。フラワーデザインの世界の扉を叩いたのは12〜13年前。「もうこれが楽しくて楽しくて! 花を触って挿して束ねる、すごく新鮮で今でも覚えています」と振り返る。当時はパリスタイルという、花の鮮やかさを出した、今とは違う作風だった。そして3年前に「小さな仕立て屋」という名で洋服のデザイナーとともに2人展を開いたことをきっかけに「はなの仕立て屋」となったという。
スタイルの確立
 馬蹄を使う作品を作り出したのは意外にもごく最近の話。昨年、展覧会への出展にあたり、西洋ではラッキーアイテムとされる馬蹄がたまたま目に止まり、試しにと使ってみたのがきっかけだった。これが新たな発見だった。「それまではいわゆる一般的なフラワーアレンジメントだった」ものが、馬蹄を使った作品を作るうちに、それらが載った雑誌やInstagramを見た男性からも注文が入るようになり、客層が広がったという。馬蹄は1つのきっかけだったが、今ではハンガーや糸巻きなど、日常にある様々なものも材料に使う。
「花と“何か”を合わせるのがすごい好きなんですね。この間はデッサンに使う石膏像を買って。これをどう仕立てようかワクワクしてます」と目を輝かせる姿はまるで子どものようですらある。
誰かのために「創る」
 作品作りにおける一番の幸せは「誰かのために作る時」だという。注文を受け、その人のイメージを思い描きながら作品を生み出す。注文品でなくとも「どんな人が持って行ってくれるのか考えると楽しみ」という。さらには普段の創作活動以外に、平塚と藤沢で定期的にワークショップも開催している。この時も大切にするもののは変わらない。「みんな作業すると夢中で無言になっちゃうから『楽しい!?』ってつい聞いちゃう」のだとか。
 陶芸家や服飾デザイナーなど、様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションも積極的にしてきた。現在は「イラストや絵を描く人と一緒にできないか」と目論んでいるそう。また、今は町外で行なっているワークショップも「自宅でできるようになったり、子どもたちに教えられたりする場があるといいかなと思います」と話す。
 花材選び1つとっても「用意されたものにはその用意した誰かの要素が入る」と、週に2回、朝2時から車を走らせ世田谷生花市場に買い付けに向かう。作品作りをしながら、同時に今も花生師の岡本典子さんに師事するなど、フラワーデザインへ情熱を傾け続けている。
創造力の源泉
 とはいえデザイン一辺倒の生活でもない。「1番に考えるのは家族のこと。だから仕立てはもちろん楽しいけれど、マイペースでやっていくのがいい」と話すように、趣味から仕事へと活躍の幅が広がる中でも原点は忘れない。休みの日には家族とどこかへでかけ、新たなインスピレーションを得て再び作品に向かい合う。
 その明るい人柄の一方「ジャンセンが好き」という一面も。ジャン・ジャンセンはフランスで活躍したアルメニア人画家。画風は、明るく華やかというよりはどこか退廃的、厭世的で暗い。また「制作中には必ずジャズをかけるんです。普段から聞くわけではないんですが、なにか心地よくて」とも。見た目には映らない彼女の感覚や感性が、作品にも表れる。
 自分の好きなものを突き詰めていった先に、アイデンティティが生まれる。「私は誰かになれないし、他の誰かは私になれない。育った環境で全然違うのでこのラインナップは私にしか出せないもの」と話す姿からは、今の生活を心から楽しんでいる様子がにじみ出ている。
高橋さんInstagram=@yurari_1121
ラスカ平塚×湘南ジャーナル 45周年コラボ企画
Yurari高橋静恵さんによる
「スワッグワークショップ」開催
◇日時:12月9日(日)
 10時30分〜、13時〜、15時30分〜
◇定員:各回10人
◇参加費:2,000円(材料費込み)

※詳細は本紙8面「イベントインフォ」で

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