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ヘッドライン |2019.03.03

相州平塚七夕太鼓ここに在り 保存会創立から40周年感謝伝え、新たに挑戦する年に

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 空を埋め尽くす豪華絢爛な飾り、「見るより聞くより踊るもの」でおなじみの優雅な踊り、路面に並ぶ露天商の数々──といえば平塚市民にとっては馴染み深い、湘南ひらつか七夕まつりの光景。「相州平塚七夕太鼓」は40年前、この七夕を彩る新たな文化として誕生した。節目の年を迎え、先月16日には記念式典を実施。保存会では改めて、その魅力を打ち出そうとしている。

一打ちで身体の芯に響く低音を奏でる長胴太鼓(大太鼓)、軽やかな高音で歌う締太鼓(小太鼓)、それら多様な和太鼓が織りなすリズムには日本人の心を掴む不思議な魅力がある。
そんな太鼓と七夕という、関連のなさそうな2つが結びついたのは1979年のこと。当時の平塚青年会議所(平塚JC)が創立20周年事業として「平塚に新たな文化の創造と青少年健全育成」をテーマに『上を向いて歩こう』などの作曲で有名な故・中村八大氏に曲作りを依頼し創作太鼓を生み出したのが始まりだ。新しい事業も10年経てば残るものは一握りという中、月日を数えること40年。太鼓の打ち手も、OBを含めれば100人を超え、現在も下は6歳の子どもから幅広い年齢層が太鼓を奏でている。
七夕の顔として
同会の曲目は全て七夕にちなんだもの。喜怒哀楽を表現した代表曲ともいえる『組曲七夕』、織姫に対する彦星の思いを大太鼓の掛け合いで表現した『織姫賛歌』、天の川を小太鼓のリズムで表現した『天の川』など。曲名にピンとこなくとも、七夕まつりのステージなどで目にしたことがある人も多いのではないだろうか。
その名の通り、まつり期間中の演奏を主な活動としながらも、平塚市を飛び出し日本全国で、さらにはアメリカ、シンガポール、リトアニア、韓国など諸外国での公演も行ってきた。今ではリトアニアと言えば2020年の東京五輪に向けたホストタウンとして名前を耳にすることも多いが、実は1995年に太鼓を通じて既に交流があったというのも興味深い。昨年の七夕まつりではリトアニアの音楽団とのコラボレーションも実現した。
節目の年に
式典で代表世話人の今井裕久さんは「OBの方も多くいらっしゃっているので思い出話に花を咲かせてもらえれば」と挨拶。現役メンバーの演奏披露はもちろん、OBも飛び入りで演奏に参加するなど、和やかな雰囲気で記念の年を祝った。
40周年を迎えた同保存会だが、その道のりは平坦ではなく、抱える懸案も少なくない。太鼓の維持管理、練習場所や指導者の確保、出演時の打ち手の確保など、文化の伝承に多くの労力を払っている。
それでも会のメンバーの1人は「今まで応援をしてくださったみなさまに感謝の思いを伝えると共に、平塚で生まれた七夕太鼓の存在を伝え、諸先輩方が繋いでくださった『平塚の文化』を今一度考えて新たな挑戦もしていきたい」という。今井さんも「今再び、リトアニアでの演奏も計画できれば」と展望を語った。
七夕の文化の一端を担い続け、長い年月を重ねてきた保存会。真摯に太鼓に向き合う中で平塚から飛び出し、多くの人に勇壮な音色と感動を届け続けている。
会では現在、旭南公民館を中心に月2回程度練習中。「来る者拒まず、去る者追わずという形なのでぜひ気軽に練習を見に来て」と呼びかけている。詳細はホームページで。
http://www.hiratsuka-tanabatataiko.net/ 
【写真】
1)編成人数は決して多くはない。だが一打一打に込められた思いが見る人を惹きつける
2)OBらも飛び入りで演奏に参加
3)代表世話人の今井裕久さん
4)リトアニア公演の様子。現地の人が体験する姿が見られる
5)創立当初は樽を使った簡易的な太鼓で演奏することも

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