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ヘッドライン |2019.03.15

海を守るためにできることマイクロプラスチック削減に向けて

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海へ流れ込むプラスチックごみが世界的に問題となっている。そのうち、5mm以下の小さな破片はマイクロプラスチック(MP)と呼ばれ、海の生態系に大きな影響を与えていると言われる。このMPがどこから来たのか調べてみると、実は私たちの身近なところからも発生していることが分かってきたという。県環境科学センターで詳しく聞いた。
海に漂流するマイクロプラスチックの総量は推計で現在5兆個。表面に有害物質が付着しやすく、魚などが体内に取り込むと生態系に影響を及ぼす恐れがある。その元となるプラスチックごみの量は、2050年までに魚の重量を超えるとの試算もある。
昨年8月には、鎌倉市の由比ヶ浜海岸に漂着したシロナガスクジラの胃からプラスチックごみが発見され、関心が高まっている。
県環境科学センター(平塚市四之宮)では、相模湾の実態を知り対策につなげるために2年前から調査を実施している。
対象は砂浜に打ち上げられたMP。調査地点は平塚市高浜台など近隣に河川のある県内5カ所で、昨年5月まで延べ15回行った。

身近な環境からも発生

調査にあたった同センター調査研究部長の池貝隆宏さんは「MPは遠くの海で発生し黒潮などに乗って来ているイメージがあったので、調査地点は異なっても同じようなデータになりそうと予想していました」と振り返った。しかし実際には、見つかったプラスチックの種類や量が地点ごとに異なっていることから、相模湾の海岸に漂着したMPは川を伝って内陸から流れ出ている可能性が高いことが判明したという。
さらにセンターでは、MPが何からできているかを調査。特徴的な数種類のものについて、ある程度つかめてきたという。
まず、屋外での使用が前提となっているプラスチック製品。例えば洗濯バサミで、ベランダに落ちたものが雨で側溝に流されたのではないかと考えられる。また、庭などで使う家庭用人工芝や玄関マットの小さな突起、ビーズクッションの中味と思われるものも見つかっている。こうしたプラスチックゴミが川を伝い海に流れ出て、紫外線や波の作用により細かくされてMPになると考えられる。
1つ1つ対策を
センターでは、削減のため今すぐできることとして、屋外使用が前提のプラスチック製品をきちんと管理することを呼びかける。洗濯バサミなどのほか、プランター、ゴミ箱として使われるポリバケツなど、一部が欠けたりすると大雨や風で飛び散り、いずれはMPになりうる。破片が出るようなら使用を控えたり、他の素材のものに交換したりすれば発生を防げる。 だがまだ分からないことが多く、発生源は家庭のほかにも工業・農業分野など多岐にわたると考えられる。センターでは、削減のためにそれぞれの発生源に合った対策を1つ1つ積み重ねていくしかないと訴える。来年度には県民によるMP調査を実施し、より多くの地点で実態を掴みたいとしている。
そしてもちろん、使い捨てプラスチック製品の使用を抑えるなどプラごみ全体を減らすことや、ごみのポイ捨てをしないことも重要である。県では昨年、プラスチック製ストローやレジ袋の利用廃止・回収、海岸利用者に対するプラごみ持ち帰りの呼びかけを含む「かながわプラごみゼロ宣言」を実施。海岸・河川の清掃活動に参加することも呼びかけている。
相模湾沿岸で、豊かな海の恵みと共に生きている私たち。海へ流れ込むプラスチックを減らすために何ができるのか、自分で、仲間で、家族で考えてみてほしい。
主な今後の海岸清掃活動
◇第21回うみぴか
3月24日(日)10時~二宮町梅沢海岸
◇平塚エリアビーチクリーン
3月31日(日)9時〜 扇の松海岸(MO3ストアなど)・袖ケ浜(スキムワン)
◇大磯ビーチクリーン
4月7日(日)8時~大磯海水浴場

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