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ヘッドライン |2021.11.24

わが街のお医者さん 健康ファイル Vol. 04
知っておきたいワタシのカラダ

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冬はお肌の乾燥に注意! 正しいスキンケアの方法とは


皮膚科 部長
勝野正子 先生
日本皮膚科学会皮膚科専門医 臨床研修指導医 産業医 医学博士

乾燥に注意
 空気が乾燥する季節になると、肌の乾燥に悩む人も増えてきます。皮脂欠乏性皮膚炎はこの時季に気をつけたい病気のひとつで、肌が乾燥して粉を吹いたようになります。スネや腰周りがカサカサしてかゆみがある方は、皮脂欠乏性皮膚炎の可能性が高いので、保湿をしっかり行なってください。
 乾燥が気になるときに気をつけていただきたいのは「洗いすぎない」ことです。せっけんをよく泡立てて、泡でなでるように洗うだけで、汚れはちゃんと落ちます。液体ソープは使いすぎる傾向があるので、私がおすすめするのは固形せっけんです。液体なら、泡で出てくるタイプがいいですね。また、ナイロンタオルやボディブラシで体をこするのは控えましょう。ナイロンタオルでゴシゴシ洗うと、必要な皮脂を奪うだけでなく肌を傷つけてしまいます。色素沈着を起こす「ナイロンタオル皮膚炎」になることもあるので、使ってこすり洗いをしている人はいますぐ止めていただきたいですね。 正しい入浴とスキンケアの方法  熱いお湯は皮脂を溶かしてしまい乾燥の原因になるので、ぬるめのお湯にゆっくり浸かっていただくのがいいでしょう。半身浴で汗をかくのもおすすめです。入浴後は乾燥が進みやすいので、水気を拭ったらできるだけ早く全身にくまなく保湿剤を塗りましょう。角層に潤いが残っているうちに保湿剤で蓋をして、水分を封じ込めてしまうのがコツです。
 意外に思われるかもしれませんが、ニキビ肌にも保湿が必要です。ニキビは乾燥させた方が良いと思っていませんか?
 じつは、乾燥させるとそれを補うために余計に皮脂が分泌されるのです。保湿する方が早く治りますので、気になっている方はお試しください。

アトピー性皮膚炎治療の今
 乾燥は、アトピー性皮膚炎にとっても大敵です。アトピー性皮膚炎は、免疫が過剰に働くことで強いかゆみを感じたり、湿疹ができたりする病気です。強いかゆみは大きなストレスになり、仕事や勉強に集中できない、安眠できないなど、生活の質に影響します。なかにはかゆみを抑える内服薬や皮膚の炎症を鎮める塗り薬で症状が改善せず、何年も苦しんでいる重症の患者さんもいらっしゃいます。しかし近年、そんな患者さんの症状を劇的に改善する可能性を持った「生物学的製剤」が登場しました。 生物学的製剤とは  生物学的製剤は、最先端のバイオテクノロジー技術によって生み出された医薬品です。アトピー性皮膚炎の治療では、過剰な免疫反応を抑制する「デュピクセントⓇ」という生物学的製剤を使用します。
 デュピクセントは、既存の治療では充分な効果があがらない中等症以上のアトピー性皮膚炎の患者さん(成人のみ)に限って使用が認められているもので、国が定めた基準を満たして初めて使えるお薬です。注意を要する面もあり、誰もが使えるわけではありませんが、使える人には絶大な効果が期待できます。

QOL(生活の質)を向上させる
 実際に使用した患者さんからは、「かゆみのない生活がこんなに楽だとは知らなかった」とか、「3日で楽になった」、「就活に積極的になれた」という声が出ています。医師の立場から見ても、お会いするたびにどんどん肌の色艶や質が良くなって、表情も明るくなっていかれる。患者さんのQOLを大きく向上させるお薬だと実感しています。
 生物学的製剤には、重症の慢性蕁麻疹に適用される「ゾレアⓇ」というお薬もあります。デュピクセントもゾレアも高価なお薬ですが、慣れてくれば「自己注射」が可能になりますし、受診の間隔を広げることで費用負担をある程度抑えられるようになります。重症のアトピー性皮膚炎や慢性蕁麻疹があり、従来の治療で効果が上がらずお悩みの方は、当院にご相談ください。
 なお、平塚共済病院の皮膚科は完全紹介制ですので、受診の際はかかりつけの先生(皮膚科でなくても可)に紹介状をいただいてお越しください。

正しい保湿剤の塗り方

●入浴後5分以内に
保湿剤の役目は、皮膚から水分が逃げないように蓋をすること。入浴後5分以内の、角層に潤いが残っているうちに塗りましょう。保湿剤を塗る前に化粧水や水で肌を軽く湿らせるのも有効です。


●手のひらで優しく
保湿剤は手のひらを使って、優しく塗り広げます。すりこむ必要はありません。


●適量は関節ひとつ分
軟膏やクリームは人差し指の先端から関節ひとつ分、ローションの場合は1円玉大の量を、手のひら2つ分の面積に塗るようにします。ティッシュが肌に付いて落ちない、また肌がテカるぐらいが目安です。

生物学的製剤の自己注射とは

 アトピー性皮膚炎の生物学的製剤の投与は月に2回、注射で行ないます。治療開始後の数回は医師が注射しますが、慣れてくれば自己注射が可能になります。自己注射には、簡単に扱えるペンタイプの注射器を使用します。  ペンタイプ注射器のキャップを取り、消毒した腹部か大腿部に押し当てると、注射器が自動で薬剤を注入してくれます。毎回受診しなくてもよいので学校や会社を休まずに済み、費用の節約にもなります。

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