カテゴリーから選ぶ
カテゴリーから選ぶ
オーレベルマーレ |2021.12.08

オーレ!ベルマーレ:#844 40

タグ

 緑と青の勇者が1人、旅立っていった。
 湘南ベルマーレは先月24日、MFオリベイラの訃報を発表した。死因はうっ血性心不全。シーズン中に現役選手が? なぜ? まさか? クラブや選手はもちろん、ベルマーレを知る誰もにとって青天の霹靂だった。
 ヒューエル・オリベイラ・ファウスティーノはブラジル出身の23歳。2020年に湘南に加入し、同シーズンはレンタルでF.C.大阪でプレー。今季から湘南に復帰し、開幕からシーズンを戦ってきた。リーグ戦2試合のほか、カップ戦8試合に出場。フォアザチームなプレーで勝利に貢献してきた。明るいムードメーカーで、同郷のウェリントン、ウェリントン・ジュニオールとは兄弟のように過ごしてきたという。

 時間は残酷だ。
 悲しい出来事や辛い出来事が、時間を経て干し柿のように甘くなるということはままあるが、週末の試合は待ってくれなかった。当日は献花台が設けられ、多くのサポーターが最後の別れを告げた。残留を争う徳島との直接対決は、お互いの持てる力を出し尽くす試合になったはずだ。だが、チームへの影響は大きかった。黙祷の後、ウェリントンは試合開始直前に何度も目頭を拭った。湘南らしさは影を潜め、0−1で敗戦を喫した。
 山口 智監督は試合後のホーム最終戦セレモニーで20秒以上にわたって沈黙、絞り出すように言葉を紡いだ。「今日だけは許してやってほしい」という訴えは、普通なら残留争いの最中のチームからはあり得ない発言だ。だが、誰が許さないといえるだろうか。家族の一員を突然に失った彼らに対して、信じがたい現実に対して、誰もがあまりに無力だ。

 サッカーに人生を賭し、遠い異国から海を渡った若者に対して、いるとすれば神様はとんでもなく残酷だ。今も、彼に関連するニュースを目にすれば胸が締め付けられる。
  残り1試合。記事が出る頃には、全てが終わっている。吉報を、天国の勇者に届けているに違いない。

いつでも明るい笑顔を絶やさなかった彼の姿は心の中にいつまでも残り続ける
TEXT:名久井啓祐(本紙編集部) 写真提供:湘南ベルマーレ

タグ
facebookシェア twitterシェア lineで送る
オンラインマガジン

湘南ローカル情報を日々更新中!

いますぐ使える 最新クーポン

色々な所で使えるお得なクーポンを発行中!

その他のクーポンをもっと見る
湘南ジャーナルDB 湘南のお店情報をまとめて掲載!
湘南ジャーナル まちナビ 最新情報

湘南のお店情報をまとめて掲載!

スタッフブログ

編集部情報を毎週更新でお届けします。

運営からのお知らせ

PAGE TOP