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ヘッドライン |2012.09.06

自らの手で切り開くバイオリン職人 田中眞次さん

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元は普通のサラリーマン。平塚生まれ平塚育ち、市内の小中高を経て大学へ。卒業後は一般企業に就職し、社会人として不満のない、ごく普通の生活を送っていた。だが30歳を過ぎ、脱サラ。現在は職人として楽器を作り続けている。田中眞次さん(61)。天職に出会うまで、バイオリンなど、弾いたことも、触ったこともなかった。
バイオリンを中心にビオラ、チェロといった弦楽器を製作・販売している「田中バイオリン製作工房」は市内真田にある。全くの素人から一代で製作工房を築いた田中さんはその道に飛び込むまで、製作に関する知識、技術、後ろ盾などは全く持ち合わせていなかった。
楽器作り
なぜ楽器職人の道を歩もうとしたのか。特にきっかけは、ない。「漠然とやってみたいなー、と思っていたんです」と気さくな笑顔。なぜバイオリンか。「一つには、初期投資が少なく、入り易いという点。もう一つは、『良い楽器はこうすれば正しく作れる』というものがない世界で、難しく、奥深く、挑戦しがいがあるという点です」
「『あのときああしておけばよかった』とか後悔はしたくなかった。成功するか失敗するかは別として、一度やってみればいい。人間、何とかなりますからね」。全てが初。知識と技術は買いあさった書籍から得て、何とか1年で1台製作した。

2人の恩人

だが自分では弾けない。音が出るのかプロに弾いてもらおうと、国内大手3交響楽団のコンサートマスターへ手紙を送った。当然面識はない。唯一返信をくれたのは「日本フィルハーモニー交響楽団」のコンマス・大川内弘さん。「バイオリンの音だね」との太鼓判を得た。その後は、イタリア・クレモナでバイオリン工房を持つ石井 髙さんに弟子入り。この出会いも自ら連絡を取ったことから始まる。
それから約30年。「趣味」ではなく「本職」として楽器作りに人生を注いできた。今では自信を持って「Shinji Tanaka fatto in Kanagawa」のラベルで楽器を提供する。
自らの手で作った楽器を愛用し、明るく輝かしい音を奏でる音楽家たちがいる。それを聞き、楽しみ、感動、心安らぐ人々がいる。
今の仕事は―。「天職だと思う。天職であればいいな」とにこやか。
振り返れば自らの手で切り開いた道がある。全てが未知の領域だった。平坦な道ではなかった。それは今も変わることはない。だからこそ毎日が面白くもあり、感動で溢れ、喜びに満ちている。

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