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ヘッドライン |2012.10.26

地産品の価値を伝える 湘南定置水産加工

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 午前3時、まだ夜も明けないうちに1日が始まる漁師の生活。大磯で定置網漁を行う(有)湘南定置もそんな会社の一つ。しかし今年、漁をして市場に魚を卸すという当たり前の仕事から一歩先に進んだ事業に踏み出した。朝獲れの魚をその朝のうちに加工する水産加工会社、(有)湘南定置水産加工として大海原に漕ぎだす。
漁で獲れる様々な魚の中には、水揚げ量が多すぎて値段がつかない魚や、足が速い、生食に向かないなどの理由で流通が難しい魚がある。大磯町漁業協同組合・加藤 孝組合長はそういった魚を直販することで価格を付けたいと考えていた。そんな折りに、現在(有)湘南定置水産加工の代表取締役を務める原 大祐さんに出会う。こうして獲れ過ぎた魚を加工し新たな価値を生み出す水産加工会社が産声を上げた。原さんは「魚を獲る1次産業、加工する2次産業、流通・販売を行う3次産業を掛け合わせた6次産業化を地域というフィールドで形にしたい」という。

挑戦と探究  
実際に買い付けから加工、販売を行う平林さんは人に話を聞いたり独学で地域食を勉強したりしながら試行錯誤を続けている。元々は料理人だったが製造に興味を持ち、同社に入社。原さんと2人、それこそ工場の内装から文字通り手づくりで徐々に会社を作っていった。「料理と製造は全然違って。でも燻製や生ハムを作り始めて、オイル漬けを作って…出来ることや生産量が増えてきています」と手応えを口にする。その一方で、新たなメニューを開発すべく研鑽を続けている。
これから
マルソウダという魚の多くは血合いが多く足も速いため、キャットフード製造業者等に卸され、地元の魚屋にもほとんど出回らない。しかしこれを燻製にすると血合いの多さがチーズのような深いコクとなり白身部分とのコントラストが生まれる。猫のエサになっていたマルソウダが新たな価値を持って生まれ変わる。サバやワカシなど、獲れ過ぎてしまい値崩れしやすい魚も加工品になることで新たな価値が創出される。こうした加工品は工場を兼ねる店頭の他、大磯市や港の直売所で販売されている。また、徐々に卸先も決まってきているという。

原さんは「真正直に手間をかけるのはもちろん大変」という。加工して価値がでればそれだけで良いわけではない。「でもここはそういう会社。無添加で正直に作る価値を伝えたい」と続ける。地域で生きてゆくという道のりは平坦ではない。地元愛だけで片付けられない想いが、新たな価値を生み出していく。
問い合わせ:☎73-8383

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