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ヘッドライン |2013.03.08

文化財、地域の縁(よすが)「木造閻魔坐像」が市指定重要文化財に

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 平塚市教育委員会は先月、妙楽寺(市内田村)が所有する「木造閻魔坐像」=写真中央=を同20日付で市指定重要文化財に指定したと発表した。これにより市指定文化財は39件となった。本紙今週号では今回の指定を機に、文化財を取り扱う市社会教育課に話を聞いた。市内の文化財の全体像、そして地域における文化財の意義とは。
 今回、有形文化財(彫刻)の指定を受けた「木造閻魔坐像」は、像高99.6cm、袖張(現状)115.5cm、像奥76.1cm。「等身を超す本格的な像で、中世彫刻の作風を遺し閻魔王像の基準作例として、本市のみならず県内においても希少な存在」とされる。また像には、「文禄四(1595)年」の造像年代と、「長芸」という仏師の名が墨書され、「閻魔像自体、県内でも例は少ないが、年号と仏師が判明しているものはさらに珍しい」とのことだ。
県内でも
 「県内でも古いものは、鎌倉市内の円応寺にある閻魔王坐像(国指定・鎌倉時代)で、今回のものはそれに次ぐ古さです」と話すのは同課文化財保護担当・大野 悟さん。「県内にある他の閻魔像の多くは江戸時代のものになります。その頃になると、派手な作風となりますので、本当におっかない顔をしているんですね。今回の像は近世初頭ですので、中世の作風が十分残っており、少し素朴な作りをしています」。同閻魔像は、今年6月上旬に特別公開される予定だ。
 今回の指定を含め、市指定重要文化財は39件となった(国指定・国登録有形は4件、県指定は8件)。そのジャンルは絵画、彫刻、建造物、資料、無形の祭事など様々あるが、市内ではどういった傾向、特徴がみられるのか。大野さんは「全体的には、平塚市の指定重要文化財は寺院関係の文化財が多いです。平塚市は県内でも鎌倉市、小田原市に次いで地元の古いお寺が数多く残っているまちなんですね。特に禅宗です」
このまちで
 「昔から地元の人たちの心の拠り所として続くお寺や神社といった宗教施設には、何百年もの間、各地域で大切にされ、代々受け継がれてきた文化財が多くあり、中でも文化価値が高いもの、歴史的に意味のあるものが指定されています」。勿論、指定されていない文化財の中にも重要なものはある、と大野さんは付け加える。博物館にあるものも含め、確実な保管がなされていて保存に急を要さないものや、未発掘、未調査、各家庭に眠っているものなど。潜在的な「指定重要文化財」は数え切れないが、数が重要なわけではない。
 遥か昔から、その地域で暮らしていた人々が大切にしてきた「文化財」。現代、そこで生きる人々にとっての文化財が持つ意義とは。「まず一つは、地域のルーツである、ということだと思います。そしてもう一つは、昔の人々の拠り所として残されてきたものがまた、現代に住む人々にとっても心の拠り所になる、ということではないでしょうか。『このまちには、素晴らしい文化財がある』、と」

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