カテゴリーから選ぶ
カテゴリーから選ぶ
ヘッドライン |2025.12.24

つくる人、つなぐ人 つくり手、
売り手が語る それぞれの「為事(しごと)」。

タグ

※「為事」とは、「仕事」の語源ですが「事(つかえる)を為す」という意味から生まれた言葉。
自分の意志や使命、役割を果たすための行為を指します。
これは、単に会社に仕える「仕事」とは異なり、
より能動的で自身の内発的な動機に基づいた「成すこと」を意味することがあります。

年末年始、お酒を楽しむ季節。
本特集では、老舗の酒屋さんと受賞歴豊富な

地ビールメーカーさんに、
これまでの歩みと「為事(しごと)」としての

熱い想いを伺いました。

従来のビールの枠にとらわれず、
日本のクラフトビール文化の確立と、
発展に情熱を注ぐ「職人の為事」

サンクトガーレン 社長 岩本 伸久

市場も言葉もなかった時代から
──サンクトガーレンの30年

 岩本伸久氏の原点には、父・光生氏の存在がある。飲食店を展開していた父は、サンフランシスコでクラフトビールと出会い「ビールは、もっと自由で多様であっていい」と感じたという。
 1993年、サンフランシスコでクラフトビールづくりを開始。当時、日本では酒税法により小規模醸造は禁止されていた。
 「日本で造れないなら、アメリカで造って逆輸入すればいい」と父の言葉をもとに、岩本氏は父とビール造りに専念し、高い評価を受けTIME誌にも掲載された。
 日本に「クラフト」がない時代に「形」にしてみせたこの挑戦が、「0号クラフトビール」と呼ばれる所以である。

TIME誌

日本人の作る高品質なクラフトビールとして取り上げられた。日本のクラフトビールを語る中では欠くことができない、サンクトガーレンの歴史だ。

パイオニアが切り拓いた、
本当にゼロからの道

 1994年、日本で酒税法緩和によりクラフトビール製造が解禁。様々な苦難の中を乗り越え、伸久氏は独立し、サンクトガーレンを立ち上げた。「クラフトビールを扱うバーは都内3軒しかなく『クラフトビールとは何か?』と聞かれ、お客さまを1から教育することから始めました」 その中で、「言葉」を大切にしてきたという。
 「作り手は、つい専門用語を使ってしまいがち。それでは伝わらない。オレンジの味だとか、チョコレートみたいなコクだとか、すぐにイメージできる言葉で伝えてきました」
 スイーツビールやフルーツビールの開発も、クラフトビールの裾野を広げるために、飲み手側に立ち続けてきた結果である。
 2009年、湘南ベルマーレとともに、Jリーグ初となるクラブ公式ビールの開発にも挑んだ。「課題もあったが、一緒にやってやろうと」立ち上がった。ホームゲームでは、サンクトガーレンのタップカーが地元ファンの楽しみになっている。

置き換わらない存在であるために

 製造から30年。岩本氏が見据えてきたのは、自社の成長だけではない。
 「正直言うと、まだまだです。30年経っても、クラフトビールのシェアはせいぜい1%強。あまりにも小さい」 新規参入が相次ぐ一方で、市場全体の広がりは限定的だという現実がある。
 「新しく参入する人が増えるのは嬉しいことです。でも、作って満足してしまうケースも多い。僕らが始めた頃は、売り場すらなく、自分たちで開拓するしかなかった。そこで市場を取り合っても、意味はないんです」
 岩本氏は、大手メーカーによる「クラフト風ビール」の存在にも懸念を示す。「アメリカでは“クラフティー”と明確に区別されますが、日本では線引きが曖昧です。アメリカではクラフトが3割、ポートランドでは5割を超える。日本は、まだまだ広がる余地があるはずです」 だからこそ、新規参入する人々には「裾野を広げる意識」を持ってほしいと語る。
 「僕らも、簡単に置き換えられないビール造りを続けなければならない。話題性があって、思わず飲んでみたくなる。そんな“こと”を、これからも仕掛けていきたいですね」
 最後に、「どんな風にクラフトビールを飲んでほしいか」と尋ねると、岩本氏は迷いなく答えた。
 「楽しく飲んでほしい。ビールって、本来そういうものですから」
 その笑顔には、30年かけて市場を切り拓いてきた自負と、これからも挑み続ける覚悟がにじんでいた。

TAP ROOM サンクトガーレンの直営店

工場より出来立てビールを直送。レギュラービールから季節限定のフルーツビールまで、最大20種のビールが全て樽生で1杯825円(税込)より楽しめます。

年末年始の営業:年末12月31日まで
年始2026年1月2日より営業
※年末年始は通常と営業時間が異なる場合があります。

賀正ビール 2026干支ラベル
限定販売中

サンクトガーレン有限会社

神奈川県厚木市金田1113-1

サンクトガーレン TAP ROOM

神奈川県厚木市中町2-2-1
本厚木ミロード2 1階

難しいことは考えず、
”おいしさ„と”楽しさ„を追求する酒屋で
あり続けるのが目標。

柳島屋 青木商店 店主 青木 智明

茅ヶ崎で百年以上続く老舗酒店。大正時代に創業し、祖母の代から受け継がれてきた。現在は、三代目店主・青木智明氏と、四代目の息子・遼太朗氏を中心に、店を切り盛りしている。日本酒を中心に、多様な品揃えと丁寧な接客が魅力で、地域に根差した町の酒店として親しまれている。

変わりゆく街中で、
守り続けた商いの軌跡

 柳島の街で、祖母が自宅を改造してタバコを売り始めたことが、青木商店の歩みの始まりだった。当時はお酒はもちろん、食料品やタバコも扱い、地域に寄り添った小さな商いをしていた。少しずつお店を大きくし、約40年前には現在の場所へ店を構え、今に至るまで歩みを続けている。
 その間、戦争やスーパーマーケットの進出、同業種店舗の増加など、商いを取り巻く環境は大きく変化し続け、決して順調な時代ばかりではなかった。先の見えない不安に直面することも少なくなかったが、それでも、変わらず足を運んでくれるお客さまの存在が、店を続ける力となった。「毎月、毎日、一日一日を頑張ればいい」という思いを胸に、家族やスタッフとともに暖簾を守り続け、101年目を迎える。
 長い歴史を背景に、三代目店主は四代目の息子や家族、スタッフと力を合わせ、地域に寄り添いながら日々の営業に取り組んでいる。店内に並ぶお酒は実際に試飲をして厳選したものばかりで、味わいや香り、飲みやすさにも目を配っている。また、今でも、昔から続く駄菓子や卵、おつまみなどを揃え、初めての方でも気軽に立ち寄れる店作りを心がけている。こうした取り組みには、家族やスタッフの細やかな気遣いと、長年培ってきた知恵が息づいており、今日も多くのお客さまが青木商店を訪れる。

人とお酒がつないでくれた、
今の青木商店のかたち

 三代目として店を営む今、青木商店が大切にしているのは、日本酒を「難しいもの」にしないこと。冷やして飲む、燗にする、食事と合わせる。決まった正解はなく、その人の好みやその日の気分、季節に合った飲み方こそがおいしい。難しいものにせず、楽しくわかりやすく、ハードルを下げることで、より多くの方に日本酒を楽しんでもらいたいという。
 その想いを形にするべく、お店に立つ上で心がけているのはコミュニケーションだ。お客さまの話に耳を傾け、会話を重ねながら一本一本を選ぶお手伝いをする。会話を通じて寄り添い、自然体でお酒を楽しんでもらうこと。それが青木商店の接客の軸となっている。
 こうした姿勢は、店内にも表れている。手書きのポップがありとあらゆるところに置かれ、お酒の味わいや産地、特徴はもちろん、時にはお酒と関係のないことまで書かれている。視覚的にも楽しく、味のイメージがしやすく、選びやすい。今の時代だからこそ、SNSだけでなく、手書きや活字媒体の温かみも大切にしているという。
 三代目は、飲食店と二人三脚で地元を盛り上げるお手伝いをさせていただくことを大切に「普通の生活のなかで日本酒を楽しむ人が一人でも増えることを願っている」と語る。そして、一本のお酒が誰かの楽しいひとときにつながること。それこそが店主にとって何よりの喜びである。


店主が考える、
お酒の楽しみ方

「お酒は、いい意味で名脇役的な存在でいいと思っている」そう語る店主。お酒単体で美味しいものはもちろんあるが、やはり食べ物が主役であり、食べ物に寄り添うのがお酒の役割。しかし、それも人それぞれの嗜好による。だから、味や香りの違いを楽しみながら、自分なりの楽しみ方を見つけるのが今のお酒の楽しみ方だ。

家族と仲間とともに紡ぐ、
青木商店の温もり

青木商店を支えるのは、家族やスタッフの力。その力は三代目店主が「日本一」だと自負するほど。なかには飲食店経験者もいるからこそ、仕入れ先の気持ちを汲んだ対応ができるのも強みの一つ。スタッフ一人ひとりの生き生きとした姿こそが、青木商店の温かさの源でもある。

四代目・遼太朗氏と家族、スタッフとともに支える、地域に寄り添う酒店の日常。


柳島屋 青木商店

神奈川県茅ヶ崎市柳島海岸1284
TEL.0467-82-5243
営業時間 9:00〜19:00(日・祝〜18:00)
定休日 火曜日

タグ
facebookシェア twitterシェア lineで送る
オンラインマガジン

湘南ローカル情報を日々更新中!

いますぐ使える 最新クーポン

色々な所で使えるお得なクーポンを発行中!

その他のクーポンをもっと見る
湘南ジャーナルDB 湘南のお店情報をまとめて掲載!
湘南ジャーナル まちナビ 最新情報

湘南のお店情報をまとめて掲載!

スタッフブログ

編集部情報を毎週更新でお届けします。

運営からのお知らせ

PAGE TOP