
後半ピッチに立ってわずか2分で芸術的なゴールを決め、喜ぶ古橋。右はアシストした馬場。
じめっとした、だれるような暑さの中、つい気が緩み、ややもすれば思考も行動もゆっくりになる時がある。だがそんな時でも、一たび何か外的な刺激を受けると平常時の、もしくはそれ以上の働きでフル回転する場合もある。例えば「寝坊した時に、時計を見る」や「電車で寝過ごした時に、通り過ぎゆく駅名の看板を見る」など。その、スイッチが入るための「きっかけ」は様々な場所にある。スポーツでは得てして得点で目が覚める。
北九州戦の29日は、湿度も高く、夏らしいナイトゲームだった。前半、試合は緩慢としていた。暑さゆえか試合、観戦、スタジアム全体がだれているような感覚。目覚めさせたのは後半開始早々。後半から出場のFW古橋。ワンバウンドしたボールを上手にシュート。緩やかな弧を描くボールはゴールへ。それから、引き締まったかのように両者ともに機敏な動きに変わる。少なくとも、場内の声援には気合いが入っていた。試合はその後動かず湘南は勝利を得た。
観戦者の思いを考えれば、前半から「オンモード」の方が「面白い」。そのきっかけが得点以外の要素から見出せれば心強い。はたして、そのスイッチの在処はどこに。
本紙編集部 櫻井雅之
写真 今井直司