序盤から拮抗していた。どちらが勝ってもおかしくない、それで納得できる内容だった。4日、平塚で行われたJ2湘南開幕戦。昨季14位、今年は曺貴裁新監督と、刷新された若いメンバーで挑む湘南に対するは昨季7位の京都。前評判はそれぞれあれど、蓋を開けねば分からぬもの。そして開幕ムードで熱気溢れる会場を夕闇が包む頃、火蓋は切られた。どちらも攻防テンポよく、9000人は固唾を呑んで見守った。この均衡をどちらが破るのか―。
破ったのは京都。31分、隙を突かれ失点。湘南サポーターは失意、落胆。だが6分後、MF岩上の目の覚めるような破壊力ある同点弾。春眠しかけたかのような場内の空気は一気に奮起状態へ。そして前半終了。後半も実力伯仲した。しかしゲームに倦怠感はない。ピンチとチャンス交々。緊張感あり、一瞬も見逃せない。このまま引き分けか。ロスタイムは2分。急げ、という高揚した焦燥感。そして91分、FW菊池が得たラストチャンス。終了間際の急展開。
急いて事を仕損じることがないように。シュートは落ち着いていた。これが決勝点となる。春の宵の値千金の一刻。序破急よろしくサポーターが最高に盛り上がって楽しめる流れ。これが湘南劇場。ただいま開幕。
本紙編集部 櫻井雅之
写真 今井直司