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ヘッドライン |2014.11.14

がんと闘い、夢を届ける湘南ベルマーレフットサルクラブ 久光重貴選手

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 国際的に、11月17日は「肺がん撲滅デー」(国際肺癌学会が2000年に制定)とされていることを、皆さんはご存知だっただろうか。そしてご存知だろうか。この地域に、肺がんと闘いながらも現役のスポーツ選手としてひたむきに生きている人物がいることを。フットサル(5人制のサッカー)元日本代表選手であり、全国リーグの「Fリーグ」で闘う湘南ベルマーレフットサルクラブ・久光重貴選手(33)。昨年6月に宣告された「右上葉肺腺がん」を患いつつも、抗がん剤治療を続けながらピッチに立つ。小児がん患者をはじめとする世の中の子どもたちへ、夢や希望、勇気を与え、生きることの喜びを伝えるために。
 Fリーガーとして活躍している久光選手がフットサルに出会ったのは社会人になってからのこと。サッカー自体は小学1年生の頃より始め、ヴェルディ川崎ジュニアユース(当時)、帝京高校サッカー部と経歴は輝かしい。ただ高校生最後の大会では、それまでレギュラーで地区予選を勝ち抜いてきたにも関わらず全国大会本戦のメンバーから外され、青春時代の涙を飲んだ。そして時が経つにつれ、徐々にボールを蹴ることから離れていったという。
フットサルとの出会い
 高校卒業後は「人が一番やりたくない仕事をまず最初に」と考え、トイレ掃除の仕事に就いた。「それさえできれば、その後の仕事は何でもできると思いましたので」と久光選手。その後転職を重ね、とにかくがむしゃらに働いた。働けば働くほど収入は増えた。「若かったのでお金を手にするのが嬉しくてしょうがなかったんですね。でもある時気付いたんです。お金を稼ぐよりも『やりたいことをやろう』と」。自らの価値観が変化していく中で、出会ったのがフットサルだった。
Fリーガーへ、そして
 現・ペスカドーラ町田の前身となるクラブに初めて参加して感じたのは「この競技、面白い」という感覚。ここからフットサル人生が始まった。当時、約10年前はフットサル黎明期という時代だったが2007年、Fリーグが開幕する。だが久光選手は翌年、町田の監督から「戦力外」として解雇され、獲得を希望していた湘南ベルマーレの所属となった。「あの解雇がなければ今の自分はありません。あの時の監督には素直に感謝しています」と振り返る。そして2013年。シーズン開幕前のメディカルチェックで見つかった人生の転機。
生きる
 診断の結果、鎖骨の裏に「肺腺がん」(発生頻度は女性の方が高く、非喫煙者にも多く発症するとされている非小細胞がん)があるとのことだった。知らされた時は、恐怖心に襲われたり「何でだろう」との思いが強かったという。「いつ死ぬんだろう」とまで考えた。その時心強かったのは「5年か10年生き続ければ、必ず治る薬が開発されるよ」という医師の言葉。「必ず、生きよう」と思った。だがフットサルは絶対に辞めない。一回休んでしまったら復帰はできない。だから選手として動けるうちは選手として生きる。
 「たとえ今は健康な人でも、この先がんと告げられた時には鬱っぽくなってしまうと思うんです。そんな時に、『そういえば久光って選手がいたよな』とか『久光頑張っているから俺も頑張ってみよう』と言ってもらえる存在になりたい」と笑顔で話す。
やりたいことを、やる
 また、久光選手が抗がん剤治療を始めた頃と同時期に小児がんと診断されたサポーターの女の子がいた。その子のために何かしてあげたいとの思いから(公財)日本対がん協会とともにフットサルリボン活動を立ち上げ、現在はフットサル大使として全国の小児病棟慰問やがんの啓発活動等も行っている。子どもたちと遊ぶと、その子たちが笑顔になってくれる。そんな時に「ああ、やって良かったな」と生きがいを感じる。
 人の為にも常に全力で取り組む久光選手。「実際、同時期に入院した人たちはもう、生きている人はいませんし、どんどん亡くなっていくという現実も見てきました」。そして力強く語る。「だからこそ今やれること、今やらないといけないことは、やっておきたい」と。
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