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ヘッドライン |2015.02.20

地域の「今」を映し、四半世紀4月で放送開始25周年のSCN・柏手社長に聞く

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 25年前、あなたは何歳で、何をしていただろうか。時は平成2(1990)年、世はバブル景気最後の年。大阪で「花の万博」が開幕した4月1日、ここ平塚では「湘南ケーブルネットワーク」が開局した。それから四半世紀。ローカルのテレビ局として湘南チャンネルが「地域の今」を住民に伝え続けるとともに、時代が変遷する中でインターネット、IP電話、デジタル化、スマート化と、通信サービスも拡充させてきた。現在は光サービスへの移行準備を進めているなど、利用者のニーズに応えるべく進化し続ける同局。今週は、湘南ケーブルネットワーク株式会社の設立当初より陣頭指揮をとってきた代表取締役社長、柏手 茂さんに話を聞いた。
――まず始めに、平塚にSCNが誕生した経緯を教えてください。
 日本におけるケーブルテレビ(以下CATV)は、山間部やビル陰など電波を受信しにくい「難視聴地域」の対策として整備が始まり、1960年代に第1期のブームを迎えます。80年代には、郵政省(現総務省)の「テレトピア構想」(全国の指定モデル地区に向けたCATVや通信施設などの設置支援計画)を受け、第2期の「都市型CATV」ブームが起こります。
 その当時、私は甲府にある株式会社日本ネットワークサービスという放送・通信事業者に勤めていましたが、同社でも近隣のモデル地区(平塚、秦野、日野)で都市型CATVにチャレンジしようと。そして88年に会社を設立、90年に開局しました。
――開局までに苦心されたことは。
 何よりも地域での理解度を高め、「知ってもらう」という周知です。そもそも平塚は湘南平にテレビ塔があり、難視聴地域は少ない為、我々としては多チャンネルや地域チャンネルの必需性を訴えるのですが、当然、当時はテレビを有料で観ることに抵抗感を持たれる方もいらっしゃるわけです。結果的に、開局時の契約は1,000軒ほど。当時の営業対象は2万4,500軒ですから計画からすると低く「これは厳しいな」と実感しましたね。
――それから25年、通信・放送業界ではIT革命や地デジ化、スマホなど、大きな変革を迎えましたが、SCNはどのような変遷を。
 大磯、二宮へとエリアを広げた後、2000年にはインターネット事業にも参入しました。当時この地域のネット環境は、電話線を使用した「ダイヤルアップ」しか選べないという状況で、元々双方向の通信機能を持つCATVの利点を生かさない手はないと。ネットが普及する時代、地域が必要としていたのでしょう。常時繋いでいても定額という低価格も受け入れられ、契約数が伸びていきました。
――2008年には電話サービスにも参入しましたね。
 これについては、「0463」の番号をそのまま引き継げるサービスに踏み込まないと意味がないので、そこにはこだわりました。
――地デジ化への対応も大変だったのでは。
 2011年アナログ放送終了までに各家庭にある、当時約4万台のSTB(セットトップボックス=受信機)を入れ替える必要がありました。もちろんデジタル放送に伴う固有のコストも増えます。ですが価格を利用者に転嫁して良いかというと、そうではない。送り手の問題ですから。そこで我々は端末の価格が下がるのを待ち、一気に入れ替えました。そのため利用者にコストを負担してもらうことなく「料金据え置き」でデジタル放送への完全移行ができたのです。
 そして2013年には、STB1台で録画やビデオオンデマンド、YouTubeなど、放送の弱点を補える「スマートケーブルテレビ」というサービスも始めました。
――今では中井町、大井町、松田町にも拡大しましたが、今後は。
 すでに大井松田局ではスタートしていますが、全エリアで光伝送路、いわゆる「光CATV」「光インターネット」を始めます。これも時代の変化で、近年はクラウド化などアップロードのニーズも増えてきましたから、高速化が図れる「光化」を決めました。今年3月から移行を始め、2018年3月には全域が完了する予定です。
――コストがもの凄そうですが。
 もちろん約7万世帯分の工事費を始め、相当かかりますが、これも切り替えコストは料金に転嫁しません。価格はスライドでサービスの質が上がると思って頂ければ。
――その意図は。
 地域への還元です。25年を振り返っても、今も、地域の人に支えてもらっているとしか言いようがないんですね。地域に必要とされる存在でなければならない。ですから地域の人々が必要とするサービスを必要な分だけ提供できる、選べる料金体系を採っています。
――では最後に、25周年を迎えるにあたり将来の展望を。
 やはり何と言ってもお客様あってのサービスです。だから我々は今後も地域に恩返しをする。例えば雨量計や定点観測機器を設置し、地域の人に詳細な気象情報、交通情報を提供したり、地域情報を収集して安心安全に貢献したりと、通信回線があるからこそお役に立てる存在を目指してまいります。

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