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ヘッドライン |2014.08.08

お坊さんはカメラマンスタジオ暁代表・大澤暁空副住職

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0808 1面 お坊さんカメラマン_1
 数年前からにわかに広まっている人生の終わりのための活動、「終活」。だがめまぐるしく移り行く現代社会の中で自身の行く末について考えることがどれくらいあるだろう。大磯にある真言宗のお寺、東光院で副住職を務める大澤暁空さんは僧侶という仕事の傍ら、写真館「スタジオ暁」の代表としても活動している。主に撮影するのは「遺影」。死を一番近くで見ている僧侶が遺影を撮影する意義、そこに垣間見える仏教の教えとは。世間はもうすぐお盆の季節。遺影に写る大切な人はどんな表情をしているだろうか。

 大澤さんがカメラに初めて出会ったのは小学校を卒業した日。父から一眼レフカメラを譲り受けたことがきっかけだった。生まれ育った大磯のまちをファインダーを通して見つめるうち、自然にカメラにのめり込んでいったという。僧侶として寺を継ぐことは高校を卒業する頃には考えていたというが、大学では単純に仏教を学ぶだけでなく見聞を広めようと本格的に写真を学んだ。在学中に京都の教王護国寺で修行し僧侶の道へ進む。卒業後、寺の仕事をするようになってからも、常に近くには写真があった。
遺影を撮る
 僧侶として法事などで人の遺影に触れる機会が増える中「つくられた遺影」が気になった。どうしても葬儀のために慌てて用意したような不自然な写真が多い。誰にも必ず訪れる死という人生の節目に故人の自然な姿を残したいと考えると同時に、写真を学んだ経験を世間に還元したいという考えから2011年に「スタジオ暁」を始める。大澤さんは「お寺には過去帳という檀家の死亡年月日、名前、戒名などを残す帳簿がある。遺影も在りし日の故人を記録するという意味では同じ」と穏やかな笑顔を見せる。記憶だけではなく記録が残ることは故人にとっても残された人にとっても大切なことだと考えている。
想いを馳せる
 生前に遺影を撮ることを「自分の先祖やルーツを見つめ直す機会になれば」と大澤さん。現代社会で近しい人の死に向き合う機会は多くはない。近頃の世情の変化や家庭の核家族化など、その傾向は強まっているように感じるとも言う。大澤さんは「遺影にはその人の生きてきた道が垣間見える。死に向き合うという生き方は仏様の教えにも重なる」と力強く静かに語る。スタジオでは遺影を撮った人にエンディングノートを渡している。遺言書のように法的な効力があるわけではないが、これも自分の人生を振り返るきっかけになればという想いからだ。
 お盆の季節。墓参りをして先祖を供養するのがその全てではない。自分や家族の人生を振り返り、想いを馳せるきっかけにしてみては。
◇スタジオ暁 ☎61-2121

【写真】カメラを手にする大澤さん/遺影だけでなく、入園・入学などの写真も手がける/スタジオ内部の様子

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