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ヘッドライン |2014.09.12

特集 スペシャル座談会「スポーツを通じたまちづくり」 平塚市 落合克宏市長×湘南ベルマーレ 曺 貴裁監督×ShonanBMW 北野 俊オーナー

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0912 1面写真
 サッカースタジアムでもある陸上競技場を始め屋内競技場や野球場、総合体育館にビーチパーク……と、様々なスポーツ施設のある平塚市。その利用者は市民からプロまでと幅広く、スポーツ盛んなまちでもある。そんな同市では「スポーツを楽しみ、健康で長寿のまち」を目指すものとして市民やスポーツ団体、大学、プロチーム、行政等が連携・協働し、スポーツを楽しめるまちづくりを推進する「平塚市スポーツ推進計画」を今年2月に策定した。また6月には「ShonanBMWスタジアム平塚」(平塚競技場)のネーミングライツ(命名権)を取得している株式会社モトーレン東洋と契約更新(平成27年3月から4年間で6,000万円)の合意に至った。スポーツを1つの軸に、進むまちづくり――。今週は「スポーツを通じたまちづくり」をテーマに、落合克宏市長、湘南ベルマーレ・曺 貴裁監督、モトーレン東洋・北野 俊オーナーによる座談会を掲載する。
――まずは落合市長、「スポーツを通じたまちづくり」という観点から市内におけるスポーツの現状や今後のまちづくりへの活用など将来像があれば教えてください。
落合 平塚市は約26万という人口の割に多くのスポーツ施設を持っており、市民の方々による様々なスポーツ団体での利用を始め、プロの試合も行われるなどスポーツに馴染みやすい環境です。できる、観られる、ふれあえる、そういう素地を持ったまちなんですね。それをまちづくりに活かさない手はない、というのが私の考えです。
 現在は市内の小学生を対象に、湘南ベルマーレ、横浜DeNAベイスターズ、横浜ビー・コルセアーズの試合を無料で観戦できる「ドリームパスポート」という事業を実施していますが、今年の2月には「スポーツ推進計画」を策定しました。今後はこの計画を基に、スポーツの活性とスポーツを通じた元気なまちづくりを進め、人づくりにも繋げていきたい。
 また、「ShonanBMWスタジアム平塚」を始め5つのスポーツ施設では全て市内の企業さんにネーミングライツのご協力を頂き、まちづくりにご参加頂いています。大変有り難いことです。これからも地域のプロスポーツ、地域企業と一体となって平塚の魅力化を図っていきたいと思っています。
――では曺監督、「スポーツが地域に与えられるもの」とは、どういったものが考えられるでしょう。
 スポーツの一番の魅力って「1人でやることよりも複数でやることの方が面白い」と感じられることだと思います。現代、ネットやゲームなど僕らの時代とは全然違う媒介が子どもたちの周りを支配している中で、人とふれあって何かを達成するというのが、非常に少ないと感じます。
 我々はサッカーですが、地域に与えられるものとしては、ベルマーレというプロスポーツの試合を観て楽しんでもらうことで活力にしてもらうとか「面白そうだからやってみよう」と始める子どもたちが増え、その子たちがチームスポーツに対し喜びを感じ、人間としても成長していくというか、そういう所が一番大きいと思います。
 平塚に関しては、最近では駅を歩いているだけで声を掛けてもらえるほどまち全体でベルマーレを応援しようという空気をとても感じています。逆に、不甲斐ない試合をしたら叱られますし、正直、試合に負けたらその日は平塚で食事できないなと感じるほどで(笑)。先日はおそば屋さんで80歳位のおばあちゃんに「行くとすごい楽しい」と言われ、僕もすごく嬉しかった。そういう熱のあるまちに自分たちが内容とか結果でエネルギーを与えられればな、といつも思っています。
落合 応援もボルテージが高いですよね。
 勝っていても内容が悪いとサポーターの皆さんは納得していないのが分かります。(勝利のダンスを)踊って良いのかな? みたいな。
北野 やはり内容なんでしょうね。ベルマーレさんはコンセプトがしっかりしていて分かりやすいですからね。あとは玄人目線のサポーターの方が多いのかも。
 本当に今おっしゃられたように、お客さんとか地域のみなさん、サポーターがチームを育ててくれるという側面があると思います。「一生懸命やってる」ってこちらが言ったとしても「全然やれていない」と言われたら考えなきゃいけないし、サポーターの皆さんの温度というのは選手を育てる為に大事で、やっぱりお客さんがいる所で試合しないと成長しない。お客さんあっての選手だと思います。
――それでは北野オーナー、企業が地域貢献する理由、その先に期待される効果とは。
北野 我々は企業ですから、いかに利益を上げるかという基本があります。ですがここ何年かマーケットが変わってきていて、若い人が車に乗らなくなっている。そこで、いかに地域で車や車に関わる生活を知ってもらうかということを模索していた時にネーミングライツ導入の話があったんですね。
 今では地域の方とふれあう機会が増え、うちの社員も、ただ単純に車を販売するのではなく、地元の方にも存在を知ってもらいながらビジネスをして「地域の為にも」というのが喜びになっています。
 また、サポーターの応援歌にも「BMW」を入れてもらっていますが、これはすごい効果があると感じています。商業施設でイベントしているだけではここまで浸透しきれていないでしょう。これは、自治体さんやサッカーチームがあって初めて、そういう受け入れられ方をしたのだと思います。
――ネーミングライツ契約更新の合意に至ったとの発表が7月にありましたね。
落合 私が市長に就任し、効率的な行政運営を進めていこうという中で、企業さんの社会貢献の意志を頂きつつ行政側が使えるお金を生み出すものとしてネーミングライツを導入させて頂いたのですが、募集をかけて一番最初にお話をくれたのがBMWさんでした。最初にその名前を聞いた時に実は「やった!」という思いがありました。ベルマーレのイメージカラーや湘南、海といったイメージに合うということでとても嬉しくなりました。スタジアムはもちろん、自治体のイメージアップにも繋がったと思います。そして今回も継続して頂けるということで本当に有り難いと感謝しています。
北野 最初は駄目だと思っていたんです。平塚には国産車の企業さんも多くありますから。ですから逆に有り難かった。これは笑い話ですが、お話が進んでいた時、ベルマーレはJ2でして、主力選手も離れていて。
 2011年のオフシーズンですね。
北野 市の人が「昇格は厳しいと思いますが、それでもよろしいですか?」と(笑)。反町監督から曺監督に変わった時です。
曺 あの時は全然期待されていなくて、(本紙スタッフを指して)メディアの皆さんに(笑)。
――いえいえそんなことは!
北野 ですがスタイルは面白く、すごい勢いで昇格したのでとても嬉しかったですね。ですから早くも次の更新が心配だなと(笑)。本当に縁だと思います。
落合 そういう縁は有り難いです。また次回もぜひ、よろしくお願いします(笑)。
――営業ですね。では監督に伺いますが、スタジアムに愛称が付いたことで、何か変化を感じたことはありますか。
曺 僕は現役の時にここを「ひらきょう」と言っていましたが、最近は選手も僕も無意識的に「ビーエム」という言葉になっています。Shonanも平塚も入れずに言う人って多いですよね。言わなくてもBMWは平塚にある、と認知されてきたのかなと。
――オーナーの周囲の反応は。
北野 同業者の方からは必ず言われますよ。半分は「儲かってるね」みたいな揶揄で。ですがBMWには世界戦略として、地域への貢献やサスティナビリティ(持続可能性)活動を続けるというのがありますから。最初は競技場内にロゴを付けるのも「これは不可」など細かい指定もありましたが、先日BMWジャパンの人に見てもらったらとても喜んでいて。「ディーラーの好事例として全国区に発表させてもらう」と。
落合 それは素晴らしいですね。
曺 (バックスタンド中央部を指して)あそこにはロゴを付けられないんですか?
北野 あれはね、市のマークなので(笑)。
 あ、すいません。失礼しました。
――では、それぞれの方が考える理想のスタジアムとは。市長からお願いします。
落合 やはりここが市民のスポーツの拠点として人々が集まり、憩いやふれあい、健康増進、そして笑顔溢れる、色々な意味でまちづくりの中心になってもらえれば嬉しく思います。経済的な側面から言えば、ベルマーレが活躍すると多くの人が市内を訪れ、消費が増えます。その経済効果は高いと思いますので、ぜひ頑張って頂きたい。
――監督はいかがでしょう。
 例えばサッカー専用とか、何万人収容とか、欲を言えば色々あると思いますが、まずは観客に心から喜んでもらう内容が大事。スタジアムとはそういう空間なので、箱がどのようになれば良いかというのは次の話かなと。「理想の」という意味では、観る人にとっては当たり前の価値ですが安全性が確保されていることだと思います。
――オーナーはいかがですか。
北野 企業の立場から言いますと、経済効果がより高くなる、もっと人の集まる場所になれば、という理想はあります。我々もネーミングライツを取得したことで今までになかったメリットを得ているので、もっと多くの企業に参加してもらって、例えば改修とかできれば。全部平塚市さんの税収だけで、というのは難しいですからね。
――最後に、折角の機会ですのでそれぞれに対する評価や要望などあれば、お願いします。では監督とオーナーから市長へ。
 僕が監督になった時から平塚市は落合市長ですが、こうやってお話しできたのは初めてなんですよね。昇格の時にはアウェーの町田にも来て頂きましたが、そういう我々のチームを支えてくれるというスタンスが有り難いです。また平塚市はスポーツのまち、それも子どもたちがサッカーも野球もバスケも観に行けるというのも本当に良い環境だと思います。
北野 湘南の中の平塚ということをもう少しPRしても良いのかなと思います。七夕ももっと全国的な仕掛けができるかもしれません。横浜市の林市長はBMW東京の社長もやっていましたが、周りを巻き込んでの仕掛けが上手ですよね。平塚はまだまだ発展性もあると思うのでサッカーや七夕などを継続してPRしていって頂ければ。
落合 七夕まつりはベルマーレの選手にもサイン会などで協力して頂いていまして、本当に人、人、人のお祭りです。ぜひ来年はBMWさんにもご協賛を……。
北野 そうですね(笑)。
――商談成立ですね。では、次は監督に対して市長とオーナー、お願いします。
落合 私はもう、これだけ頑張って頂いていますので感謝したいです本当に。ベルマーレが強くなって活気づくことによって、このまちも元気になるんですね。ですから是非このまま突っ走ってもらいたいというのがお願いです。それがイコール、市民に、そして子どもたちに夢を与えられることになるので、これからも頑張ってください。
北野 サポーターであるうちの社員は「必ず勝ち点100超えをしてください」と言っています。また、世界で活躍する選手をベルマーレから輩出して頂きたいと思います。
――ではオーナーへ、市長と監督どうぞ。
落合 地域貢献、社会貢献という面でも、予算的にも有り難いと思っています。それから行政としてはただ受けるだけではなく、いかに有効に使って頂き、企業イメージを上げてもらうかという協力をしなくてはなりません。ぜひ今後とも、応援を頂ければ有り難いなというのがお願いですね。
 BMWさんにはうちのチームに対してもご支援頂いておりますが、我々が頑張ることでBMWさんや平塚で働く皆さんが元気になってもらえたり、応援したいと思ってもらえることが恩返しだと思っています。要望は特にないのですが、一昨年、ヴァンフォーレ甲府が優勝した時にはまちでパレードが行われたんです。それで、もし本当に勝ち点100とかに達して優勝して昇格できたら、地域の皆さん向けにパレードってできるのでしょうか。例えばBMWに乗って新しい市庁舎から出発して戻ってくるとか。
落合 オープンカーありますか?
北野 ありますあります、用意しますよ。
 まあ、そんなこと言って優勝できなかったら恥ずかしいんですけど(笑)。
――では良い話が決まりそうということで、今回はこの辺で締めたいと思います。本日はどうも有り難うございました。
落合・曺・北野 有り難うございました。

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