カテゴリーから選ぶ
カテゴリーから選ぶ
ヘッドライン |2014.09.26

浮き世で夢を追いかける若手の舞台俳優 浅野重光さん

タグ

0926 1面写真1
 ミュージカルの本場、ブロードウェーで先月行われた登竜門的な演劇祭「ニューヨーク国際フリンジフェスティバル2014」の舞台に立ち、来月9日~14日に横浜市内で行われる凱旋公演に出演する平塚市在住の俳優・重光(24、本名・浅野重光)さん。同年代の仲間がサラリーマンとして就職し社会の一員となっていく中で、敢えて俳優という険しい道を選び、自らの夢に向かって走り続けている若者だ。世間は芸術の秋ということで今週は、そんな表現者としての人生を送る一人の青年にスポットライトを当てる。

 舞台俳優なら誰もが夢見るという北米最大級の同演劇祭は、世界中から様々なアート集団200団体が集められ、20以上の会場でそれぞれのパフォーマンスが披露されるというもの。出演するにはNY演劇界関係者による厳しい審査に合格しなくてはならないが、今年その狭き門を通過したのが、県内を中心に活動している劇団「風雲かぼちゃの馬車」(土井宏晃主宰)だ。
 同団体は、日本のオリジナルミュージカルを世界に発信したいと2005年に旗揚げした平均年齢20代半ばの若手演劇集団。演劇祭では鎌倉新仏教である時宗の開祖を主人公として創作したミュージカル『一遍』(NYでの公演名は『DANCING MONK IPPEN』)を披露し、重光さんは外部からの客演として一遍の叔父・河野通久役を中心に演じた。現地では日本語で上演したにも関わらず観客からは大歓声、拍手喝采が起こり、高い評価と期待の声を受けたという。
挫折からの立ち上がり
 役者人生を歩み始めてまだ2年、というキャリアで大舞台に立つチャンスに恵まれた重光さんも元々俳優を目指していたわけではない。むしろ「レスリングの選手」という道が目の前にあった。高校時代は関東大会優勝、全国大会では3位に輝き、学生の頃もインカレ(全日本学生選手権)16位という成績を残すほどレスリングに没頭していた。だが大学3年の時、選手生命に関わる大怪我に見舞われ、将来を考え直す転機が訪れた。そこで思い出したのは幼い頃、戦隊ヒーローに憧れていたということ。そこで自分も、子どもたちに勇気や希望を与えられるヒーロー(俳優)になろうと思い立ち、夢の実現へと新たな一歩を踏み出した。
素浪人のように
 決して安定とは言えない俳優の道。しかも経験ゼロからのスタートだった。始めは、ある劇団の研究所で学び、その後は様々な劇団のオーディションを受け客演として出演し、スキルを身に付けていった。そんな「侍の浪人」のように一人で道を切り開く人生の中で出会ったのが、今回の劇団だ。一遍を題材とする作品に、自分の家が時宗の檀家であるという部分で縁を感じ、何としても出演したいと応募。念願叶い、ブロードウェーデビューも果たした現在は凱旋公演に向け、生き生きと練習に励んでいる。今では「ヒーローよりも悪役を演じたい」と言う重光さん。「主役を引き立てる個性的な脇役がいてこそ芝居は面白い」と語る表情は正に役者の顔だ。
 今回出演する作品『一遍』は、踊り念仏を広めることで一切衆生の救済を願った男を描く物語。歌って踊って、つらくはかない浮き世を忘れ、生きる喜びを表現する。「あなたは独りじゃない」と。そんな作品に、重光さんも自らの人生をオーバーラップさせている。
(囲みとか小さめにインフォ)『一遍』
◇10/9(木)~14(火)14時の回と19時の回(最終日は14時のみ)◇相鉄本多劇場(横浜市西区2-1-22相鉄ムービル3F)◇チケットは前売り3,500円など◇詳細は同劇団HP(http://fuuunkabocha.yokochou.com)で

【写真右】NY公演での踊り念仏の場面(写真=劇団提供)

タグ
facebookシェア twitterシェア lineで送る
オンラインマガジン

湘南ローカル情報を日々更新中!

いますぐ使える 最新クーポン

色々な所で使えるお得なクーポンを発行中!

その他のクーポンをもっと見る
湘南ジャーナルDB 湘南のお店情報をまとめて掲載!
湘南ジャーナル まちナビ 最新情報

湘南のお店情報をまとめて掲載!

スタッフブログ

編集部情報を毎週更新でお届けします。

運営からのお知らせ

PAGE TOP