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ヘッドライン |2014.10.03

新たな旬の味覚、マコモタケ普及へ向け行政・農家が奮闘中 大磯町

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1003 1面 マコモ_1
 ホクホクの栗やさつまいも、油の乗ったサンマ、香り高いマツタケにジューシーな柿、葡萄、梨……と枚挙に暇のない秋の味覚。そんな秋の味覚の1つ、マコモタケはご存知だろうか。名前からするとキノコの一種? それともタケノコの仲間? その正体はマコモというイネ科植物の肥大化した茎のこと。現在、大磯町ではこのマコモタケの栽培研究を進めている。狙いは耕作放棄地の解消と大磯の食を代表する特産品づくり。マコモタケは先細りの農業を救い、大磯を代表する味覚になりうるか。挑戦を続ける町の職員や生産者に話を聞いた。
 全国的な傾向にもれず、農家の後継者問題に直面している大磯町。現在、耕作放棄地は12.3haにもなり、行政でもその対策に頭を悩ませている。そこで2年前に農業委員会に所属し、現在産業観光課の石井道朗さんが目を付けたのがマコモタケだった。マコモは水はけの悪い土地でもよく育ち、あまり手もかからない。国内で売り出している場所も少なく、希少価値も謳える。早速他県の生産者に教えを請い、株を分けてもらって試験栽培を始めた。
農家の想い
 試験栽培で一定の成果を上げた町は今年に入り実際に生産してくれる農家を探していた。そこで名乗りを上げたのが米、柑橘などを栽培していた西方農園の西方安雄さんだ。兼業農家の西方さんは、定年を機に本格的に農業に取り組もうというところでマコモタケの話を聞いた。大磯の農家の現状について西方さんは「理由は色々あるけど続けるには難しいことも多い。子どもの頃から親しんできた大磯の農地が荒れ果てていくのは手足をもがれる様な辛さ」と話す。そんな背景から大磯の農業を助け、まちおこしの一助になるならと栽培を決めた。「最初は半信半疑で。でも石井さんがあまりにもマコモマコモって言うもんだから」と笑う。今年は270坪で栽培しており、今まさに初収穫の真っ最中。西方さんは「興味を示している農家もいる。これをモデルケースにより多くの農地で栽培できるようになれば」と期待を寄せる。
観光の目玉としても
 収穫を進めるなかで石井さんと西方さんは現在、販路の開拓に勤しんでいる。町としてはまず販路を確保し、その先に大磯ブランド化、名産品化の道も見据える。折しも観光の核づくりを推進している最中にある大磯町。この時期しか食べられないマコモタケを「大磯の秋」として、アピールできれば大きな武器になる。
 では気になる味は。マコモタケはクセのない味わいで生食も可能。シャキシャキとした歯触りの中にほんのりとした甘みとコーンのような香りが感じられる。さらに火を通すとその歯触りと甘みがぐっと引き立つため、天ぷらや炒め物など油との相性は抜群。タケノコのようなアスパラのようなシャキシャキ感と口の中に広がる柔らかな甘みは他では味わえないもので、旬の食材としてのポテンシャルは十分に高いといえる。
 このマコモタケ、今年は大磯駅前の「地場屋ほっこり」にて取り扱い予定。また直販も可能とのことなので興味のある人は問い合わせてみては。◇問い合わせ:西方さん☎090-5327-2287
【写真トップ】マコモタケの可食部。皮を剥いていくと真っ白な身が姿を現す
【写真下左から】生産者の西方さん/収穫の様子/秋の食材とともに天ぷらに/野菜炒めにしても美味しい

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