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バニューシネマパラダイス:シーン93『全員死刑』

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『全員死刑』(2017/日本)

監督・脚本:小林勇貴 脚本:継田淳
出演:間宮祥太朗/毎熊克哉/清水葉月/六平直政 他
小田原コロナシネマワールド他、全国公開中。
座間の9遺体殺人事件は、蜘蛛の捕食を想起させる。犯人の男はSNSという蜘蛛の巣にかかる獲物を待ち受けてパクリと食べる。受動的殺人といおうか、そこに死にたい相手がいたから殺しただけというような、Win-Winの関係で成り立っているあたり、殺人もやけに合理化されたものだと隔世の感がある。誰もが、簡単に殺人者になり得る時代かもしれない。『全員死刑』は、家族全員が殺人に関与したという、実在する犯人の手記を基にした実録犯罪映画である。間宮祥太朗演じる主人公・首塚タカノリは、家族を借金苦から救うため、金銭目的で襲った資産家家族を行きがかり上、皆殺しにしてしまう。あまりの無計画ぶりに、不謹慎だが笑ってしまう事件だ。タカノリは、口ばかりで頼りにならない両親と兄のため、ただ一人殺人に手を染める。見方を変えれば家族孝行な若者だが、その思いやりをもっと違う方法で実らせることは出来なかったものか。結局、どんな金策の手段より、殺人がお手軽だったのだろう。蜘蛛の捕食と較べても、人間の殺生は無意味で愚かしく滑稽なものだ。
kiyoto01
文とイラスト:竹内清人
1968年生まれ。映画宣伝を経て、『戦国自衛隊1549』で脚本家デビュー。現在、平塚の片隅(馬入あたり)で執筆活動をつづけている。オリジナル小説『躍る六悪人』全国書店にて絶賛発売中!
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