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ヘッドライン |2018.10.22

認知症カフェ市内で活動広がる自分らしく地域で暮らせる社会へ

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 身近な病気となった認知症。内閣府によれば、患者数は7年後の2025年には約700万人と65歳以上の高齢者の5人に1人となると見込まれている。国では“認知症高齢者などにやさしい地域づくり”に向けて、様々な施策を進めている。そのひとつが「認知症カフェ」。本人やその家族が、地域の人や専門家と相互に情報を共有し理解し合う場である。平塚市でもこのほど登録事業がスタート。今回は、登録されている4カ所のうち第1号となった平塚市北金目の認知症カフェの活動を紹介する。
 場所は高齢者福祉の相談窓口である「高齢者よろず相談センターひらつかにし」。月に2回、交流や認知症予防のための「よりみちカフェ」が開かれ、住民数人が参加。口や顔などの筋肉を動かす体操をしたり、懐メロを歌ったりしながら、気軽に会話を楽しむ。企画・進行を行うのはボランティア。カフェの活動が始まる前から、センターを地域の人に利用してもらう方法を考える会に参加し、活動の立ち上げにも関わってきた。そのひとり吉田亮三さん(79)は「皆さんと会話するのが楽しくなりました。半分は自分のためですね」と話し、カフェが居場所にもなっているという。
来る人に合わせ増えた活動
 センター裏の畑では、月に1回「よりみち農園」と題して畑仕事が行われている。以前は雑草が伸び放題だったこの場所を、ボランティアの栁川勝正さん(78)が中心になって、除草し畑として整備。昨年夏から季節の野菜を育て始めた。栁川さんは「土とふれ合うことが、認知症や障がいを持つ人にいいのではと思ってお手伝いしている」と話し、草取りや畝作りなど普段の作業も引き受けている。1年間欠かさず通っているという70代の女性は「ここへ来てみんなと話しながら作業するのが楽しい」と笑顔を見せていた。
 同じく月1回の「よりみち木工」は、ある男性の思いがきっかけで始まった。5カ月前に認知症と診断を受けた70代の男性は、昔から木でもの作りをするのが趣味。そこでセンターの認知症地域支援推進員が中心になり、趣味を生かして地域で活躍できる場所として木工の日を始めた。傷んでいた家具を修理したこともあり、男性は「人に喜んでもらえることがうれしいですよ。(木工が)生きがいです」と張り合いを感じている様子だった。今後は、自分らしい作品に取り組んでみようかと職員と相談している。
認知症でも自分らしく暮らす
 認知症になってできないことが増えたとしても、できることがまだたくさんある。支えられるだけでなく人の役に立ちたいと願っている。居場所があれば住み慣れた地域で自分らしく暮らすことができる。センターの管理者・深堀千晶さんは、カフェの活動を通じそうした理解を広め病気への偏見をなくしていきたいと願っている。そのためには「子どもから高齢者、障がいのある人など誰でも気軽に来てもらいたい」と話す。
 また毎月開催される「介護者カフェ」は、同じ立場の人同士が苦労や喜びを互いに分かち合える場となっている。今後は患者も一緒に参加できる場にしていきたいという。
 こうした場で認知症の人や介護者と交流する機会ができれば、「家族や自分がなったら……」という病気への不安や介護する側のストレスが少し軽くなるかもしれない。誰でも参加できるので、ぜひ近くの認知症カフェに出向いてみては。
「平塚市 認知症カフェ」検索
【写真】
1)農園では現在ブロッコリーと芽キャベツなどを栽培
2)認知症予防のため「よりみちカフェ」に通う参加者とボランティア
3)自分が修理した椅子に座る木工が趣味の男性

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