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ニュース |2020.08.06

世界初の“マイボトル・マラソン”に挑戦
湘南国際マラソン、来年2月28日開催目指す

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 2007年に創設され、今や湘南の冬の風物詩ともいえる市民マラソン大会となった湘南国際マラソン。当初の12月開催は新型コロナウイルス感染症の影響で危ぶまれてきたが、既存の大会とは一線を画す新たな試みを携え、2021年2月28日の開催を目指すことが発表された。スローガンは「Take Action, Be Better」。4日には大会名誉会長の河野太郎氏らによる記者会見が都内ホテルで行なわれた。

 

 その新たな試みとは「世界初のマイボトル・マラソン」というもの。
 元来、マラソン大会では世界中どこであってもランナーに給水するために使い捨てのカップ・ボトルを使用している。湘南国際でもこれまで、毎年約2万5,000人のランナーのために13カ所の給水所を設置し、3万1,500本のペットボトルや、50万個ものカップを消費してきた。
 今大会ではこれらの全てを撤廃する。
 その代わり、ランナーは自分のボトル・カップを携帯する。13カ所の給水所に変わって、自分自身で水やスポーツドリンクを補充するセルフ給水ポイントを500カ所設置。ドリンクを入れたジャグやボトルから好きなタイミングで給水することになる。また、これらの給水システムは、災害時にも利活用されることが期待される。消費する水の想定量は約50t。コースにあたる藤沢市、茅ヶ崎市、平塚市、大磯町、二宮町の500地点に水を届けるということは、有事の際に実働できる給水プラットフォームという側面をもつ。
 河野名誉会長は「参加ランナーのみなさんには世界初の“マイボトル・マイカップランナー”になってもらう」と大会の狙いを語るとともに「湘南国際マラソンをただのスポーツイベントとせず、地域防災に貢献するという新たな可能性を探っていきたい」と思いを述べた。

河野太郎大会名誉会長

2tもの水が入る大型のタンクも。災害時の利用にも期待がかかる

プラスチックからの解放

 マイボトル・マラソンが実現されたとき、事務局では6tの二酸化炭素削減につながると試算する。これは500mlのペットボトル17万本分にもなる。プラスチックによる環境汚染は、今や世界的な課題だ。同大会でプラスチックフリーを監修する、東京農工大学環境資源科学科の高田秀重教授は「ペットボトルは1番の環境汚染者」と話す。ペットボトルによる汚染は深海にも広がっており、これらはやがて微細化されマイクロプラスチックとなる。これを魚や貝などが取り込み、食物連鎖により大型の魚や、果ては人間にも影響を及ぼす。ペットボトルに含まれる添加物には環境ホルモンもあり、高田教授は「プラスチックが有害な化学物質の運び屋になっている」と語った。
 高田教授は「マラソンのタイムを考えれば、プラでも金属でも、物を持っていればタイムは落ちる。効率を考えれば使い捨ては有効だが、現代はそうした短期的な経済効率を追求してきた社会からの転換を求められている。いき過ぎたグローバル化ではなく、持続的なものに転換していく、重要な大会になる」と思いを述べた。

東京農工大学高田秀重教授

防疫対策にも注力

 災害時の役に立ち、環境にも優しい「マイボトル・マラソン」はコロナ禍の今、感染症対策にも大きな意味をもつ。感染予防を監修するのは北海道大学の玉城英彦名誉客員教授。「ボトルと一緒に走ることが新型コロナ予防に対する最大の配慮につながる」という。新型コロナ予防では3密の回避、ソーシャルディスタンスの確保、手洗い、マスクの着用、環境の除菌等々が求められているが、これらの原則を大会にどう落とし込んでいくかは今後の大きな課題だ。現段階では、会場入場時、フィニッシュ時に全員の手指・足元を洗浄除菌すること、ランナー・ボランティアに除菌ボトルスプレーを配布することなどを決定している。社会を取り巻く状況は刻々と変化しているが「コロナ禍を乗り越え、ポストコロナへの挑戦となる世界で最初の試み」と展望を語った。

北海道大学玉城英彦名誉客員教授

アウトドアブランドが協賛に

 「マイボトル・マラソン」への転換は時代の流れもあったが、THE NORTH FACEなどのブランドを手がける株式会社ゴールドウィンの働きかけもあったという。同社は15年ほど前からトレイルランの普及に努めてきた。当時はトレイルランという言葉も浸透していなかったが、大会自体を作り上げることで普及に努めてきたという。そうした努力のかいもあって、今や一般的にも人気のスポーツとなったトレイルランだが、現在ではロードランニング=マラソンとのクロスオーバーが見られるようになってきたという。つまり、マラソンも、トレイルランも両方やるという人が増えてきた。関連用品の販売をするメーカーの立場からも、2つのマーケットは区別ができないものになりつつあるという。
 トレイルランでは、参加ランナーが自分のゴミを全て持ち帰るのが基本的なスタンス。補給所も数を減らしていくのがスタンダードになりつつあるなか、ロードではいまだに多くの「使い捨て」が残っている。同社の森光常務執行役員は「トレランの大会の経験を生かして一石を投じたい。環境配慮型のロードランニングのレースを作りたい」と意気込みを語った。

携行に適したボトルやカップ

 事務局では今後、8月下旬をめどにレギュレーションを決定し、9月5日からのエントリー開始に備えるという。現在のところ、大会規模は昨年までと同等を目指すというが「それが2万人なのか、1万人なのか、今後の社会情勢を踏まえて検討する」という。最終的な開催可否の判断は12月10日。中止決定の際は手数料を差し引いて参加料を返金する。事務局は「企画側が『やる』と言ったからできるものではない。参加ランナーの協力が必要で、共に大会を作り上げていきたい」と話している。

マイボトル・マイカップを持った大会をアピール

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