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ニュース |2020.09.30

正しく知ってほしい
乳がんのこと

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一生のうちに「乳がん」と診断される日本人女性、11人に1人。そして患者数はここ30年でおよそ5倍にまで増えている。その一方で、早期に発見して治療すれば治る人が多いがんでもある。

――毎年10月は「世界の乳がん月間」と言われ、 ピンクリボンに象徴される世界規模の啓発キャンペーンが行なわれる。これを機に、乳がんのことを正しく知り、 命を落とす人がいなくなることを願っている。

乳がんで命を落とす人をなくしたい

毎年10月はピンクリボン月間。乳がんについて正しい知識を広め、検診やセルフチェックを呼びかける啓発活動が、世界規模で行なわれている。

乳がんを知ろう

(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」) ※罹患数は突出して多い乳がんだが、死亡者数では大腸がんの6割程度となっている。とはいえ、年間の死亡者は15,000人近く、軽視はできない。

11人に1人が乳がんになる時代

 国立がん研究センターがまとめた「最新がん統計」によると、一生のうちに乳がんと診断される日本人女性は、11人に1人にのぼる。女性が最もかかりやすいがんであり、誰にとっても人ごとでは済まされない。
 患者数は上昇の一途をたどっており、この30年でおよそ5倍になった。食習慣の欧米化や肥満率の増加が、関与しているのではないかといわれている。しかし欧米諸国では、乳がんで死亡する人は減少に転じた。乳がん検診を受ける人が増えたことが、効果をあげはじめた結果だ。

 早期発見・早期治療で克服できる

 多くの人が乳がんと診断される一方で、乳がんで死亡する人は全がん死の中で5位となっている。早期に発見して治療すれば、治る人が多いためだ。  だからこそ、定期的なセルフチェックと検診が大切になってくる。がんが直径1センチの大きさになるのにかかる時間は、およそ5年。1年おきに乳がん検診を受ければ、早期に発見できる可能性が高まる。
 しかし、乳がん検診の受診率は45%足らずに留まっている。乳がんは検診で見つけやすいがんなので、ぜひ定期的に受けておきたい。

検診が命を救う

 ほかのがんと比べて、乳がんは検診で見つけやすいといわれており、1年おきに検診を受けることで、早期に発見できる可能性が高くなる。
 早期に発見するメリットは①命が助かる可能性がぐんと高くなる ②大手術を回避でき体の負担が小さい ③乳房を残せるので肉体的・精神的ダメージが小さい ④医療費が安く済む ⑤術後の生活上の制限が少ない ⑥家族にかける負担が小さくなる――と多岐にわたる。
 平塚市、大磯町、二宮町では、40歳以上の女性に対して乳がん検診(マンモグラフィー検診)の助成を行なっている。職場の健康診断を受けていない人は、ぜひこちらを活用したい。平塚市と二宮町では偶数年齢の年(奇数年齢の人でも前年度未受診の場合は可)、大磯町では毎年の受診が可能だ。詳しくは各市町のサイトを参照してほしい。

各市町の乳がん検診についてはこちら
平塚市▶︎http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/kenko/page-c_02040.html
大磯町▶︎http://www.town.oiso.kanagawa.jp/kenko/kenkouzoushin/1536714616446.html
二宮町▶︎http://www.town.ninomiya.kanagawa.jp/kenko_iryo/iryo_hoken/kenkoshindan/1561536195654.html

[検診の内容]

視診

乳房の大きさや形に左右差がないか、ひきつれや陥没はないか、また分泌物の有無や皮膚の状態などを、医師が見て確認

触診

乳房を触ってしこりの有無を調べる。ある場合は、しこりの大きさ、形、硬さ、表面の状態を確認。脇の下や鎖骨の上のリンパ節も同様に調べる

マンモグラフィー

乳房を透明なプラスチック板で挟み、薄く引きのばしてX線撮影する。薄くのばすことによって乳腺の重なりが少なくなり、被曝量を減らせる

エコー(超音波)検査

超音波を発する機器を乳房に当てて、反射波をコンピューター処理によって映像化することで、乳房内部を観察する

マンモとエコーの違いって?

マンモとエコーでは見つけやすい病変の種類が異なる。どちらが優れているというものではないが、一般にマンモは40代以上、エコーは20~30代にすすめられる。若い人の乳房には乳腺が多く、マンモでは乳腺も病変も白っぽく写ってしまうためだ。

日本人には、乳腺組織が多いデンスブレスト(高濃度乳房)が多いといわれる。それ自体は病気ではないが、マンモで病変の発見が困難な場合は、エコーとの併用が望ましい
写真提供:平塚市民病院

はじめよう!ピンクの日

ピンクリボン運動とは?

 ピンクリボン運動の始まりは1980年代のアメリカ。乳がんで亡くなった人の家族が、同じような悲しい思いをする人をなくそうと、乳がんの早期発見・早期治療の大切さを訴えたことがきっかけだ。1993年にナショナル・マンモグラフィーデー(10月の第3金曜日)が制定されると、この活動は政府や関係学会、企業、市民団体の協力を得て米国中、さらに世界へと広がっていった。
 ピンクリボンが訴えるのは、「ブレスト・アウェアネス=自分の乳房を気にかけること」の大切さだ。日頃から乳房を気にかけ、正常な状態を知っておく。日常的にセルフチェックを行ない、定期的に検診を受ける。異常を感じたら医療機関を受診する。そうした行動を習慣にすることが、ブレスト・アウェアネスだ。自分の命を守り、大切な人々に悲しい思いをさせないために、ブレスト・アウェアネスを生活に取り入れていきたい。

毎月19日をピンクの日に!

 ブレスト・アウェアネスの大切さは理解できても、日々乳房の状態をチェックするのは大変なもの。そこで提案したいのは、毎月決まった日にセルフチェックを行なう習慣だ。閉経前の人は乳房が柔らかくなる月経終了後1週間~10日をめどに、閉経後や生理不順の人は毎月19日(ピンクの日)に、下図を参考にセルフチェックを行なってほしい。

見てcheck!

鏡の前に自然な姿勢で立ったら、①形や大きさに左右差がないか、②しこり、ひきつれ、えくぼのような陥没がないか、③異常な分泌物がないか、④乳頭にただれやかさぶたがないかを観察。次に両腕を上げて、正面から側面、斜めに体をひねりながら同様の観察を行なう

触ってcheck!

手に石けんをつけて滑りを良くする。親指以外の4指をそろえ、渦巻きを描くようにしてしこりがないか調べる。同様に、脇の下に手を入れてリンパ節が腫れていないかを確認する

寝てcheck!

仰向けに寝て腕を上げ、乳房の内側半分を指の腹で軽く圧迫しながら調べる。腕を下げて、乳房の外側半分を指の腹で軽く圧迫しながら調べる。わきの下に手を入れ、指の腹で調べる

「乳がんかも?」と思ったら

 セルフチェックでしこりが見つかるなどの異常を感じたら、乳腺外科を受診しよう。乳がん検診を受けて、「要精密検査」の結果を受け取った場合も同様だ。
 乳腺外科では、マンモグラフィー、エコー、MRI、CTといった画像診断、細胞診や組織診などの病理診断を行なって、乳がんかほかの病気かを診断する。

精密検査を受けられる病院

・平塚共済病院 平塚市追分9-11 ☎︎0463-32-1950
月〜金(祝日除く)の8時半~11時に総合受付へ。電話予約は不要。
紹介状がない場合は、選定療養費5,500円(税込)が別途必要となる。
ただし、「要精密検査」の検診結果があれば、紹介状として扱う

・平塚市民病院 平塚市南原1-19-1 ☎︎0463-32-0015
月~金(祝日除く)の8時半~11時に初診受付へ。電話予約は不要。
紹介状がない場合は、初診時保険外併用療養費5,500円(税込)が別途必要となる。
ただし、「要精密検査」の検診結果があれば、紹介状として扱う

私の体験談 Y.Aさん(42歳)

 左胸の脇の方に何かやわらかいものができたことには気付いていましたが、30代の自分ががんになるとは思っていませんでした。ネットの情報を都合よく解釈して、囊胞(のうほう)に液体がたまっているのだと決めつけてしまったのです。
 囊胞が大きくなって、処置してもらおうと受診したところ、「粘液がん」という特殊な乳がんと診断されました。信じられない、信じたくないという思いで、セカンド・オピニオン、サード・オピニオンを求めましたが、結果は変わらず。地面が足元から崩れていくようなショックを受けました。
 結局、左乳房全摘と、腋窩リンパ節郭清(かくせい)※1という、大きな手術になりました。子どもが欲しかったので、抗がん剤の投与を2カ月遅らせて受精卵凍結を行ないました。抗がん剤によって卵子がダメージを受けるので、体外に避難させておくのです。凍結卵は、未来を諦めないためのお守りになりました。
 抗がん剤治療を経て、手術からおよそ2年後に乳房再建※2。さらに3年が過ぎましたが、再発もなく元気に暮らしています。病気は誰の身にも起こり得ます。素人判断をせず、異常を感じたらどうか受診してください。それが、自分と家族の未来を守ることにつながります。

※1 郭清:腫瘍そのものだけでなく、周囲のリンパ節や転移している可能性がある組織を徹底的に取り除くこと。
※2 現在では、乳房切除と同時に再建を行なう「一期再建」も可能となっている。

文章:大石雅子
イラスト:MAKO〈オケスタジオ〉

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