ニュース｜2020.12.23

地元ではたらくひと
株式会社イシックス猪股大輔さん

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この街を、地域を作るのは、この地域で「はたらくひと」。気になるあの人の仕事から、この街で暮らす人の生き方が見えてくる。

【プロフィール】
株式会社イシックス入社10年目
猪股大輔さん
平塚市在住の35歳。大学卒業後一般企業に就職し、2011年に家業である同社に入社。平塚青年会議所2020年副理事長。１児の父。

「家族でも関係が希薄になり得る時代だから……」

　今年創業から四半世紀を数える同社のルーツは、石工であった高祖父・猪股林蔵さんにまでさかのぼる。なんと「平塚の塚」の由来碑を彫ったのがほかでもない林蔵さん。現在は地域密着をかかげ、石材・墓石の加工だけでなく設計、造成工事も手掛ける。大輔さんは社会人３年目のころ、家業に戻ってきた。「地元にはいつか戻れたらと漠然と思っていましたが、僕は次男ですし父の会社に入るとまでは思っていませんでした」と笑う。
　“お墓”の在り方が変わりゆくなか、仕事を通して人生について考えることも多い。「赤の他人である僕が、納骨という最期の瞬間に立ち会う。そこでご遺族の方を通して亡くなられた方の人生が垣間見えることもあります。今は家族でも関係が希薄になり得る時代ですから、誰か１人でも、人生の最期に寄り添ってくれるというのは本当に尊いと感じますね」

「この街に生まれてきてよかったと感じてほしい」

　同社をよく知らなくても「イシックス馬入のお花畑」は知っている人も多いだろう。名称権を取得しただけでなく「市民の“ほっと”スポット」にしようと公園整備やイベント企画なども積極的に手がけている。暮らし、働く街がよりよくあってほしいと願う理由の１つが、１カ月前に生まれた子どもの存在。「子どもに将来『この街は嫌い』って言われたらショック。この街に生まれてきてよかったと感じてほしいから、僕自身いろいろ行動するし、若い世代にも興味をもってほしいと思います」。彼の言葉は、この街で生きていく道を歩む充実感にあふれている。