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ヘッドライン |2020.12.23

愛ある地元の酪農生活とは!?
丑年は、きっと牛が好きになる!

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2021年の干支は「辛丑(かのとうし)」、つまり牛である。古くから牛は乳牛、食牛、耕牛と呼ばれ、酪農や農業で我々を助けてくれる重要な存在と言われてきた。そして、大変な農業を地道に最後まで手伝ってくれることから、丑年は「我慢(耐える)」や「発展の前触れ(芽が出る)」を表す年になると言われている。このコロナ禍を耐え、さらに発展してほしいと願う。

 

(トップ写真)平塚市にある片倉牧場で飼育されているジャージー種の牛たち。ホルスタイン種に比べ国内では希少。人懐っこい性格で愛嬌たっぷり
写真/加藤 藍 取材・文/満山雅人

丑年は、きっと牛が好きになる!酪農応援企画!
酪農家がつなぐコミュニティ 地域で愛される 牧場をつくりたい!

動物と触れ合うことが好きで酪農家に憧れるという若者も少なくない。だが、都市近郊の酪農家は経営難だけでなく臭気などの問題もあり、年々顕著な減少傾向。実際の労働環境だって大変なことは想像しやすい。そんななかでも今回取材した松本七海さんは酪農経営への夢や目標に向かって日々精進している。

片倉牧場スタッフ 松本七海さん

1998年生まれ。神奈川県立相原高等学校畜産科学科を卒業し、2018年から平塚市にある片倉牧場に正社員として勤務。酪農業界の専門誌はもちろん、テレビなどにも取り上げられている注目の“酪農ガール”!

昔から変わらない思いと牛たちに賭けた将来の夢!

──昔から動物が好きだったんですか?
松本さん(以下M) 非農家で育ったのですが、とにかく幼い頃から生き物にしか興味がなかったんです。猫やハトを自分に慣らすことが楽しかったりして(笑)。勉強も好きじゃないし、運動も好きではなかったから、学校の時間がつまらなかった。友達と遊ぶのも楽しくないわけではないけど、動物と遊ぶために家へ一目散に帰っていましたね。兄は明るく社交的なタイプだったけど、それに比べて私は明るいタイプではなかったし、動物しか興味がなかったから母親はかなり心配していました(笑)。

──高校も畜産関連を学んでいたんですよね。
M 普通の学校じゃつまらないし、動物がいる高校があったから行こうと決めたようなものです。そこでは畜産部に所属して、牛たちにハマっちゃったんですよね。365日牛を「飼って養なう」ことを管理する“飼養管理”を行なっていました。特に、牛を外見から審査する品評会というのがあるんですが、それに挑戦した経験は大きいです。牛は太っていても生産性が悪いし、痩せすぎていても駄目。大会に向けて牛を2カ月くらい毎日手間をかけて仕上げるんです。出場した品評会で、相原高校としては初めてのリザーブジュニアチャンピオン、私はベストリードガール賞という“賞”をいただいたんです。それまでは、ただ動物が好きなだけだったけど、動物に尽くして結果を得られたというのがとてもうれしくて。みんなスポーツだったり勉強だったりで結果を出すということはあると思うんです。それと同じように、やってきたことが評価されたことはうれしかった。ただ、それを追求するなら牛のことをもっと知らなきゃいい牛にならない。それを掘り下げると、生まれたときからはじまっていて。ただミルクをやるだけじゃ駄目。幼少期に体調を崩すと、やっぱりつまずくことが多い。母乳による育成期間から離乳への移行も、スムーズにいかないと結果に関わる。なかなか上手くいかないですけど、それを一つ一つ積み重ねていくのが楽しいんです。

──辛いなと思うことはありますか?
M ないですよ。大変だとか牛に対して思ったことはありません。牛たちは人間がいないと生活できないので世話することが当たり前。しかも、この子たちの牛乳によって養ってもらっているわけで。確かにお金をもらうためだけの仕事だとしたらできないかもしれません。私は自分の目標のためにやっているし、やっぱり好きが勝ります。だから、生活の一部ですし、休日もここに来たりします。

──これからの夢はなんですか?
M 学生の頃に行っていた牧場なども、近所の人がたくさん集まる家だったんですよ。野菜をつくったりもしていたし、大凧祭りなどのイベントをしたり、ざる菊も評判でした。牛舎自体は小さいですが、地域の人や子どもたちが集まる場所になっているんですよね。後継者がいないからといって、そんな空間がなくなるのはすごくもったいない。だから、自分で酪農の経営者になろうと思ってます。それも、ただ酪農を経営するというだけではなく、地元神奈川で地域に必要とされる場所をつくることが夢です。

せっかくの近郊型酪農を もっと身近に感じよう!

牛はホルスタインとジャージーを飼っている。ジャージー専用の搾乳スペースもあり、パイプラインも別のものを使用している。そのぶん手間はかかるが、ジャージー牛だけの生乳が生産可能。ホルスタインに比べ少量しか搾れず、濃厚なところが人気

 じつは、酪農は地域とのつながりもさまざま。たとえば豆腐屋から不要なオカラをもらって、混合飼料にすることも。片倉農場では某企業から不要になったカカオの殻を使わせてもらっているそうだ。ほかにも、牛の下に敷いているおが屑は、地元の木工屋や工務店から譲ってもらったり、近隣小学校からシュレッダーにかけられた紙をもらって使用している。逆に、小学校へ堆肥を持っていくこともあるとか。そう聞くと、急に身近に感じられますよね。
 とはいえ、北海道のような酪農の盛んな地域とは違い、なにかと維持費だって高そうな神奈川の都市近郊型酪農。それでも、頑張る地元酪農家を応援したいが、なにができるのか。そう、今回取材して驚いたのは、平塚駅からでも車で行って、そう遠くはない距離だってこと。たとえば、子どもたちを連れて動物との触れ合いを楽しむことだって気軽にできる。また、地域の人が集まったりするハブのような役割を担える可能性もある。
 平塚市の酪農は乳用牛の飼育頭数も多く、神奈川県ではトップクラスの規模である。せっかくある“近くの牧場”に付加価値を考えられれば、この地域の活性化にもきっとつながっていくだろう。

 

毎朝6時からはじまる 牛舎での作業はこ〜んな感じ!

牛への給餌

牛の餌には乾草などの粗飼料や、乳酸発酵させた濃厚飼料などがある。牧場内で育てている牧草や、トウモロコシなどの収穫も仕事

搾乳も朝晩

朝晩、2回搾乳をする。搾乳を早くしてほしいと言わんばかりの牛。片倉牧場の乳牛は県の品評会でグランプリを受賞することも多い

子牛にミルク

親離れした子牛への哺乳を行なう。子牛がいる牛舎は別にあり、母牛の乳から粉ミルクを混ぜたものへと種類を徐々に切り替えていく

牛床の清掃

掃除したばかりでまたふんをしていたり。牛たちは相当な餌を食べるが、そのふんの量もすごい。餌やりと掃除は朝晩エンドレスに続く

地産地消を食べて応援!

 片倉牧場の片倉幸一さんは市内の若手酪農家からなる“角笛会”の前会長。平塚産の生乳を広く発信しようとしている。片倉前会長によると、生乳は工場での加工が必要なため、野菜などと違い生産者が直売できない。しかも、各地の生乳がタンクで混ざるため“平塚産”と明言できなかった。そんな中、3年ほど前から企画し保健所との協議や試行錯誤を重ね、JA湘南の農産物直売所「あさつゆ広場」で地場産ジェラートの販売を開始。地産地消の輪は少しづつ広がり、今年からは平塚市内の洋菓子店でも、片倉牧場で搾った生乳を使用した“湘南ジャージープリン”が登場している。

地元牛乳使用のジェラートが食べられる!

 ジェラートは「あさつゆ広場」に隣接する「あさつゆ工房」で販売。県内産の牛乳を使用したさまざまな種類がある。片倉牧場のジャージー牛だけの牛乳を使うものもお試しあれ。

こだわりの平塚産ジェラートは上品な甘みで大人も食べやすい。シングル320円

 

JA湘南あさつゆ広場
TEL 0463-59-8304
住所 平塚市寺田縄424-1
営業 夏期(3月~10月)9:30~16:30/冬期(11月~2月)10:00~16:00
定休日 水曜(HPでご確認ください)、12月31日~1月4日

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