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ニュース |2022.01.19

やっぱりモノ作りって面白い! 
この週末から、新しいことはじめる

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遊び心あふれる地元の陶芸作家を訪ねてみる。

  週末を充実させたいが、何をしていいのやらという人に提案したい。ズバリ、陶芸。陶芸創作は穏やかな精神状態でクリエイティブな時間に集中できる。充実感とリフレッシュ効果も期待できるだろう。しかも、地元にはとても素晴らしい陶芸工房があるので紹介したい。

見た目にも楽しいイラストで 遊び心を感じさせる作品

 実際に陶芸家として作品を販売しようと思ったのは30歳くらいからだった。「陶芸が楽しくてはじめたという感じです。何も考えず手を動かしていたら、想像力が湧いてくる。小さい頃はやりたいとは思っていなかったんですが、こういう環境があったのはラッキーでした」。そうして自然と陶芸家の道へ進んだそう。そして美大の頃から好きだったグラフィックやキャラクターなどの絵描きを生かし独特のユニークで遊び心のある作品が生まれている。

長閑な環境で穏やかに 流れる作陶の時間

 平塚市出縄にある岡村工房。この工房は岡村さん一家で営んでいる。父・昭男さんに奥さまの敬子さん、お姉さんの朝子さん、そして弟の友太郎さんと皆さんが陶芸家。ご家族とはいえ、作風はそれぞれ違った個性があって面白い。
 そもそも、平塚と大磯の境に『出縄(いでなわ)』 という巨大な野焼きモニュメントがあるのはご存知だろうか。この作品は1976年に平塚市在住の造形作家・藤田昭子さんが手がけたものだ。父・昭男さんがここ平塚に縁ができたのはその藤田さんがきっかけ。藤田さんは昭男さんの大学時代の先輩であり、大学時代に創作活動の手伝いをするようになった。昭男さんは大学を卒業後、茨城県にある笠間焼の窯で研修、さらに北鎌倉の窯で2年間勤務。その後に再び平塚に戻り現在の窯を開いたそう。
 岡村さん一家は創作をしながら、工房で造形教室を行なっている。もともとあった工房の隣の鶏小屋だった長屋を2019年に改築。教室は広く開放感のあるスペースで、大きな窓の先にはのどかな畑や野山の景色が広がり、癒しの空間となっている。建物内には朝子さん、友太郎さんそれぞれの作業スペースも設けられており、5月にはギャラリースペースを設ける予定だとか。そちらも楽しみだ。

顔と胴体が描かれた皿はさまざまな種類があり、組み合わせを楽しめる。新作が出るたびに買いそろえるというファンも多い

 

カラシ色の食器も料理が映える。地元の飲食店などで使用されたりもしているので、ひょっとして? と思ったらチェックして!

 

● 岡村友太郎

1980年平塚市生まれ。2003年に多摩美術大学造形表現学部を卒業。陶器でミニカーを制作したり、ポップな色使いや愛嬌のあるイラストなどの楽しい作風が人気。最近は銀座三越でグループ展を行ない、4月には熊澤酒造オケバギャラリーで姉の朝子さんとともに毎年展示を行なっていて、今年も開催予定

 

透明感のある 青磁や白磁などの 美しい陶器たち

 45年ほど前に築窯し、創作の傍ら妻と造形教室を行なう。「窯を開いた当時から人が集まるような場所にしたいと思っていた」と、子どもたちや教室に来る人の自由な要望になるべく対応している。現在開催中の小田原文化芸術協会による新春アートメッセージ展2022にも出展している。

● 岡村昭男

1947年山口県生まれ。1972年横浜国立大学教育学部美術科を卒業。笠間焼研修後、鎌倉明月窯で勤務。1976年に平塚市出縄に築窯。1984年から2017年まで鎌倉一翠堂にて個展。1986、87、89年には伝統工芸新作展入選。高い技術を感じさせる青磁の器など正統派な作品が多い。

 

温かみのある人形は 見ているだけで 癒される

 「私が実際粘土をやり始めたのはまだ3年くらいですよ」と言う敬子さんだが、子どもの造形教室は約45年も続けている。昭男さん同様に藤田昭子さんがきっかけで子どもたちに造形を教えるようになる。藤田さんが設立した波の子造形研究所という造形教育活動を行なっていた。

●岡村敬子

1950年横浜市生まれ。1973年横浜国立大学教育学部美術科卒業。1975年には子供達の造形教室、陶芸教室を平塚市出縄にて開講。1983年日本クラフト展入選。個性のある器やアクセサリー、愛らしい人形など楽しい造詣が目を引く。器だけではない陶芸の魅力を感じさせる。

 

日常の情景を優しく捉えた モダンな器や造形が魅力

 以前は中学校や養護学校などで美術教員としても勤めてめていたが、現在は陶芸に専念し活動。朝子さんの描く鉄絵の作品は人気だが、ここ数年の作品で多いのは家などがモチーフになっているもの。「家とか建築とかそういうのが好きなんです。落書きすると大体そういうのが出てくるんですよね」。2月9日(水)〜13日(日)11:00〜17:00「はるをまつ。器と布、岡村朝子とtotoganashiの春支度」 という展示をサラカフェ(大磯町大磯425)で行なう。テキスタイルデザイナーとの2人展でテキスタイルにも挑戦。作品に触れるチャンスなので、ぜひ訪れたい。

鉄絵で花のモチーフ。絵付けの段階では上の写真のように赤っぽいが焼くとこうした黒の模様に

街モチーフの絵画が描かれている陶器の壁飾り。重厚感がありつつ繊細かつ大胆で洒落た印象

● 岡村朝子

1978年平塚市生まれ。武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科を卒業し、2002年より陶芸を始め、2004年御茶ノ水美篶堂(みすずどう)ギャラリーにて2人展、2007年朝日陶芸展入選、2009年すどう美術館賞受賞、翌年すどう美術館で個展、2019年大磯つきやまで個展を開催。

 

岡村工房の教室で 陶芸制作をやってみよう!

 取材日に作陶体験をしていた福島さん(上)と小林さん(下)。 高校時代の同級生のお2人は3年くらい前から通っているそう。 「作りたいと思ったものを自由に作れるのがいいです」と小林さん。 「ロケーションがいいですよね。とても落ち着きます」と福島さん。

 

リノベーションされた広い空間はとても居心地がよく、広い窓からの畑や野山の景色は癒される。建物はあえて味のあるトタンが使われており、昭男さんの作品などが無造作に置かれているのも味わいがある。

岡村工房
TEL 0463-31-4555
平塚市出縄625-2
http://okamura-koubou.com/

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