地域の仕事、もっと知って!
湘南ベルマーレらがガイドブック制作
湘南ベルマーレがオフィシャルクラブパートナーの有限会社静雲堂(中込知野代表取締役)とともに手がけた「地域のお仕事ガイドブックDX」が広がりを見せている。2月27日(火)には、平塚市立中原中学校で、このガイドブックを軸にした職業講話が行なわれた。
地域のお仕事ガイドブックDXは地域の企業やその仕事について、動画や画像を交えて紹介するデジタル副教材のプロジェクト。公立小中学校の児童・生徒に配布されているタブレット端末等を活用した学校での授業や家庭学習を目的に制作され、平塚市版のほか、鎌倉市・藤沢市版があり、昨年秋頃、各市の教育委員会へ寄贈された。
地域の企業には何がある?
地域の企業・仕事を子どもたちに知ってもらうことは行政・企業にとって大きな意味をもつ。
神奈川県湘南エリアはそれだけでブランド価値をもち、数多くの地元企業がさまざまなユニークな活動・運営をしている。しかし東京に程近いということもあり、子どもたちは高校や大学・専門学校などへ進学するにつれて当然のように中央の企業へ関心を寄せるようになり、自分の生まれ育ったまちの企業に目を向ける機会が少ないことは企業側にとっても課題だった。一方で、学校側もキャリア教育を念頭に地域の企業との接点を求めていた。
そこで将来の地域を支える子どもたちに対し、自分の住んでいる地域の仕事や働くことへの興味・関心を高め、将来的に地元企業への就職につながればという思いでプロジェクトが始動した。
地域に支えられる湘南ベルマーレ
言わずもがな、湘南ベルマーレはその歴史上、市民クラブとしての道を長く歩んできた。今でこそライザップ傘下に属しているが、その活動を長らく支えてきたのは地域の中小企業・商店・個人などが圧倒的多数だ。
こうした企業も、当然自分たちの活動を地域に知ってほしいという思いをもつが、それを伝える手段は存外乏しく、企業の担当者の悩みのタネでもあった。ベルマーレの担当者は「多くの企業に支えられている我々は、個々の企業の活動のあまり知られていない面白さや重要性・社会性などを知っていました。それをどうにかして地域の子どもたちに伝えたいと思っていたんです」と語る。
自分たちの得意分野を活かして
そこで新たなプロジェクトをベルマーレに提案したのが企業向け漫画制作等のクリエイティブや広告業を手がけてきた静雲堂だ。2022年からベルマーレの地域貢献活動の柱の一つでもある「小学校体育巡回授業」をサポートしており、その延長で話が持ち上がったのが「地域のお仕事ガイドブックDX」のプロジェクト化と事務局メンバーとしての協働だった。
中込代表は「キャリア教育の重要性が説かれるようになり、必要性はわかっていても、身近な地域での取り組みは難しいです。近年はコロナ禍で学校と地域企業とのパイプが切れてしまい、企業も教育現場もお互いに接触したいがなかなか手段がない……オンライン授業にも対応できるガイドブックと合同出張授業で、地域企業と学校を結びつけたいと考えています」と意気込みを語る。
仕事を直接伝える意義
職業講話当日、平塚版のガイドブックに掲載されたなかから8つの企業と平塚市の担当者が、中学1年生の生徒らを相手に自分たちの「仕事」について語った(一部、ガイドブックに掲載されていない専門家も講話に参加)。ガイドブックに掲載された内容以外にも、生徒からは積極的な質問なども出ており、意外な関心の高さに驚いたという人も。生徒からしても、普段授業をしてくれるのは「先生」であり、一般社会の人から話を聞く時間は貴重な経験になったのではないだろうか。
今後は、このガイドブックへの掲載企業の増加や、授業や家庭でのより積極的な利活用について働きかけていく予定だ。こと働き方においては、価値観がどんどんアップデートされていき、今の子どもたちが社会に出る頃には今の時代にはない感覚を持ち合わせる可能性もある。それでも、地域という単位で生活が営まれることは大きく変わらないはずだ。「地域のお仕事ガイドブックDX」には、デジタルお仕事カタログという以上に、地域との関わりのハブになるような役割も期待されている。
トップ画像:湘南造園の授業風景
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