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ヘッドライン |2012.10.19

須賀の古刹、再興へ67年ぶり本堂再建、原色の十二神将も

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昭和20年7月16日の平塚空襲で焼失して以来67年、ここに本堂はなかった。「湘南ひらつか七福神」の寿老尊や、「相模薬師霊場第11番札所」として知られる長楽寺(平塚市札場町)。このたび、平成20年から進められてきた「平成の大復興計画」により本堂が完成。21日には落慶法会が行われる。本尊、日光月光菩薩、原色の十二神将なども一堂に揃い、今ここに、地域の古刹が色鮮やかに甦る。

海詠山長楽寺は、弘法大師空海を開祖とする高野山真言宗の寺院。縁起によれば、総本山・高野山金剛峰寺の相模国における直末寺(じきまつじ=総本山直属の末寺)であり、13ヶ寺の末寺を配していたという。現在長楽寺が建つ場所は、かつて空海が関東・東北地方へ赴くにあたり、伊豆から船で上陸し最初に滞在した地とされる。開山は文治元年(1185年)頃。僧・鎮海が草庵を建て海詠庵とし、その後建保3年(1215年)に僧・朝秀が庵号を海詠山とし、以来約800年間、地域を見守ってきた。
再建
長きにわたり地域で親しまれてきた長楽寺。だが太平洋戦争の戦火により本堂をはじめとする伽藍の多くを焼失。以降、本堂のない状態が続いていた。そしてこのたび、悲願の本堂再建が実現する。  本堂安置されたのは、本尊の薬師瑠璃光如来と脇侍の日光菩薩・月光菩薩の薬師三尊。そのほか弘法大師座像、不動明王が置かれた。また、平清盛が頭の血を混ぜて描かせた「血曼荼羅」として知られる「両界曼荼羅図」の複製も掲げられている。特に全て原色で再現された十二神将は、異彩を放つ。
十二神将
仏(像)の4グループ「如来」「菩薩」「明王」「天」のうち、天部に位置する十二神将は、薬師如来の12の願いに応じ、薬師経を信仰する者を守護する神々。各将7000の家来を従え、12の時、方角に睨みを利かす。日本最古(天平時代)としては、新薬師寺の像がよく知られ、近年、CG技術で再現された、製作当時の極彩色による伐折羅大将の画像は記憶に新しい。  今回長楽寺に奉安されたのは興福寺型の像で、12体全てが分析に基づく原色で彩られたもの。住職の高橋智運さんは「原色で復元したのは聞いたことがないですね。現在のところ日本でもここだけではないでしょうか」と誇らしげ。
一歩一歩、着実に再興へと向かう。再建に尽力した高橋住職は「昔はどこのまちも、お寺や神社があって、『まち』ができあがってきました。今回の再建で、少しでも地域が盛り上がれば嬉しいですね」と穏やかに微笑んだ。長くこの地を見守ってきた長楽寺本堂。火の海と化したあの夜から、67年の時を経て、今堂々と、色鮮やかに甦る。

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