東の池で蓮の花が見ごろ大磯町生沢地区
水中から空に向かって茎を伸ばし水上で大輪の花を咲かせる蓮が大磯町生沢の「東の池」で見ごろを迎えている。ふわりと甘い香りが漂う中、多くの人が極楽浄土に咲くという蓮を見物に訪れる。東の池は元々、江戸時代に造成された農業用水池。それから400年、農業用水池として近隣の住民の生活に根付きながらも、夏を迎えると咲き誇る一面の蓮が多くの人を惹き付けている。
蓮はインド原産のハス科多年生水生植物。花びらやガクがつく花托という部分が蜂の巣のような姿をしていることから古くは「ハチス」と呼ばれ、そこから転じて「ハス」という名前になったといわれる。泥中から茎を伸ばし水上で美しい花を咲かせるその性質からヒンドゥー教や仏教などでは清らかさの象徴として見られることも。食用にされることもあり日本ではレンコンが馴染み深い。
池のはじまり
大磯の池の中でも最も古い東の池は広さ約4,000㎡、周辺50,000㎡の灌漑用の貯水池として造成された。造成された年の具体的な記録はないものの、同じく貯水池である西の池(現在は埋立て済)が1688年に造成されたときには既に東の池があったと伝わる。大きな河川がない大磯町にとって、農業用水の確保は重要な問題だった。江戸時代初期、生沢を治めていた領主は幕府の許可を得た上で村人たちと協力し池を造り、農業振興に大きく寄与したと伝わっている。また水源の水路から池までの掘割や堤を造る技術は当時としては大変卓越したものだったという。池の中央の島には厳島神社の分社があり、多岐都比売命が祀られている。この弁天社では例年8月13日に例大祭が行われる。
今も昔も
現在、東の池は水利組合が管理をしている。町のホームページなどで観光地として紹介される今なお、近隣の農家の人々の生活を支えている。蓮が咲き始めたのは定かではないが、同組合の二宮忠義さんは「私が小学生ぐらいの頃だから、50年くらい前から池の様子はほとんど変わらない」と言う。現在空き地になっている池の北側まで池が広がっていたものの、当時から変わらず、池の中央には弁天社があり、蓮が咲いていたという。昭和30年代にはコイを放流して釣り堀にしていたこともあったそうだ。数年前には蓮がほとんど根付かないこともあったが、ここ3、4年は再び花を咲かせるようになり、今年はここ数年で一番というほどに池全体に蓮が広がっている。
蓮の見ごろはあとひと月程。夏の盛り、一服の清涼感を求めて東の池を訪れてみては。
アクセス
JR平塚駅北口よりバス約30分平36または平32「生沢」下車 徒歩0分
JR大磯駅よりバス8分 磯01または14系統「月京」下車 徒歩15分
JR二宮駅南口よりバス8分 平36または平32、二05系統「生沢」下車 徒歩0分
【写真1】一面に咲く蓮の花【写真2】厳島神社分社
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