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ヘッドライン |2013.08.23

湘南オリーブはじめました二宮町の新たな特産物奨励事業

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 二宮町で新たな特産物を生み出すべく試行錯誤が続く中、夏涼しく冬温かいという町の気候から白羽の矢が立ったオリーブ。オイルをはじめ漬け物や化粧品に至るまで様々なシーンで活躍するオリーブを新たな二宮の顔とすべく、平成24年から動き出した「湘南オリーブプロジェクト」が進行中だ。農商工連携や6次産業化などを打ち出し新たな「二宮ブランド」を創造する挑戦の今をさぐった。
 地中海沿岸が原産とされ、スペインやイタリアで広く栽培されるオリーブは、近年メディアなどの影響もありその存在感を日増しに高めている。特にオリーブオイルは健康に良いとされるオレイン酸を多く含む点から注目されており、目にする機会も多い。また実を食用にするだけでなく幹を材木として使用したり、葉をオリーブ茶にしたりと、捨てるところのない植物として知られている。日本では20世紀初頭に栽培が始まり、有名な産地として香川県小豆島が挙げられる。同島産のオリーブオイルは国産オリーブオイルの95%を占めるという。
オリーブとの出会い
 二宮町内で営業する株式会社ユニバーサル農場では早くからオリーブの栽培に成功しており、製油したオイルを町に紹介したことがあった。これをきっかけに同町はオリーブの普及活動に乗り出す。同町の気候がオリーブの生育に適している点や、町の特産品の一つであるみかんと同じような環境で栽培できる点もそれを後押しした。2004年度から予算を組み準備を進め、苗木の購入補助を行ってきた。現在は町内の32戸の農家が約1,000本のオリーブの栽培を行っている。同町産業振興課の羽鳥政光さんは「特産品化ももちろんですが鳥獣被害に強く育てやすい。遊休荒廃農地の解消に繋がれば」と期待を寄せる。
製品化に向けて
 町では栽培農家への講習会をはじめ、試験圃場での栽培状況を農家と共有するなど二人三脚の取り組みを続けている。これらのオリーブは実がつくまでにあと2年程度かかるとみられている。しかし実を結んだら即製品化できるわけではない。オリーブオイルを作るにも搾油機がない。流通ルートも確立できていない。やらなければならない課題は山のようにある。羽鳥さんは「ブランド化することで栽培農家だけでなく加工業者や販売者など様々な動きが生まれる。行政はその起爆剤となり、枠組みをマネージメントできれば」と話す。将来的には植栽を5,000本まで拡大することを目指している。
挑戦続く栽培者
 まつき農園の松木秀雄さんは取り組みに賛同しオリーブを栽培する農家の1人だ。自ら小豆島に苗を買いにいったり、イタリアの事業者と情報交換したりと研究に余念がない。町の取り組みについては「期待はしているがまだできることはある」と評価する。国内では特に九州で設立された「九州オリーブ普及協会」が精力的な活動を行っており、協会主催の講習等にも参加している松木さんは意識の違いを感じている。「なぜ小豆島で栽培に成功したか聞いたら『百姓の熱意だ』と。そういう面も含め、外から学ぶべき点はたくさんある」と話す。
 ものづくりに携わる人間として「モノがブランドを作るのであって、ブランドのためのものづくりではない」と松木さん。どういうオリーブを作って何を消費者に届けたいか、そのビジョンが明確でなければと考える。松木さんの想いは至ってシンプル。「『これは旨い!』というオリーブを作りたい。当たり前のことを当たり前にやって良いモノを作れば消費者は選んでくれる」。根底はそれだけだ。
 まだ産声を上げたばかりの湘南オリーブプロジェクト。実を結ぶ時を夢見て、手探りの挑戦が続いている。
【写真】栽培中のオリーブと松木さん

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