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ヘッドライン |2013.09.20

旧吉田茂邸庭園が公園に大磯城山公園の拡大区域として部分開園

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 明治期より多くの政財界人や文化人が居を構えた大磯町には、絵に描いたような「豪邸」や「お屋敷」といった邸宅・庭園が作られてきた。時代が移りゆく中で姿を消したものもあれば受け継がれてきたものもある。ただ、個人や企業が所有する物件は、一般開放される機会がまずない。だがそんな「邸園」の中のひとつに、往時の景観を復元し、今月22日より「県立公園」として誰もが無料で入園できるようになる広大な敷地がある。そこは、戦後の名宰相、第45、48~51代の内閣総理大臣を務めた吉田 茂(1878-1967)が生きた場所。
県立大磯城山公園(大磯町西小磯、国府本郷)は、旧三井財閥本家の別荘地跡(約7ha)を利用して整備され、平成2年に開園した。同園の南に位置する旧吉田茂邸地区は吉田茂の没後、西武鉄道株式会社へ売却され、大磯プリンスホテル別館として利用されていたが、平成16年頃より地元を中心に保存の気運が高まり、県が用地を買収、公園整備を進めた。そして今月22日より、庭園約1.8ha部分が同園の拡大区域として新たに開園する。なお旧吉田茂邸地区の全体は約2.9haあり、本邸(平成21年、火災により焼失)を含む残り約1.1haの部分は、平成28年度の開園を予定している。本邸は現在、町による再建が進められており、平成27年度の完成を目指している。
再現
 県の事業概要におけるコンセプトは「再現」。「建物だけでなく、庭園を含めた敷地全体が吉田茂の愛した場所であり、これを一体的に再現する」としている。例えば、樹木が茂り過ぎ、本来の空間構成や景観が損なわれていた「日本庭園」は、園内全ての樹木を調査した上、往時の写真と比較し、オリジナルの庭園設計者の作庭手法を元に復元した。また、出雲大社本殿などにも用いられる檜皮葺(ひわだぶき)という伝統的工法で作られた屋根を持つ内門の「兜門」は、原型を留めないほど朽ちていたが、見事に修復された。さらには、吉田茂の自慢だったという「バラ園」も再現された。「プリンセスミチコ」をはじめとする当時植えられた品種が再び植栽され、往時の雰囲気を演出する。
再建
 ひとつひとつ丁寧に復元され、甦る旧吉田茂邸。開園直前にあたり、整備事業を管轄する県平塚土木事務所道路都市課の森尻雅樹課長は「当時、吉田 茂さんが眺めていた風景や散策していた自然の中に佇むことで、追体験ができます。歴史と文化を体感できる空間として、多くの人に楽しんでいただきたいと思います」と期待を寄せている。この先も戦後日本の名宰相が愛した場所は、生き続ける。
【写真左から】日本庭園・兜門・バラ園に咲く「プリンセスミチコ」・サンフランシスコとワシントンDCの方角を向く吉田茂像
大磯城山公園
◇開園時間:9時~17時(開園初日22日は正午から、年末年始休園)◇入場無料、駐車場は有料(普通車平日100円/1h、土日祝200円/1h)◇アクセス:JR大磯駅からバス(国府津駅行・西公園前行・二宮駅北口行・二宮駅南口行・湘南大磯住宅循環)で10分「城山公園前」下車、徒歩3分◇問い合わせ:同園管理事務所☎61-0355

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