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ヘッドライン |2014.03.28

電動車椅子サッカーで世界に挑む平塚総合体育館で全国大会が開催

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 ガシャン!ギュキュッ!重さ100kgを超える金属の塊がぶつかり合い、激しいターンで体育館の床とタイヤが擦れる音が響く。パラリンピックをはじめ近年競技として注目を集める障がい者スポーツ。その中でも重度身体障がい者による電動車椅子サッカーの全国大会「第17回ドリーム・カップ」が22日、平塚総合体育館で開催された。関東から九州まで、いずれも日本代表選手を擁するレベルの6チームがクラブナンバーワンの栄冠を目指し平塚に集まった。選手や関係者が見る、障がい者スポーツの現状とは。
 電動車椅子サッカーとはバスケットボールコートを使用し、1チーム4人で行われる競技だ。年齢や男女の区別はなく、車椅子の操作さえできれば試合に出場できる。中には自力で上体や首の保持ができない人もいるが、コントローラーを手や顎で操作し車椅子を巧みに操り、装着したフットガードでボールを蹴りゴールを目指す。2007年には初の世界大会が日本で行われ、昨年開催されたアジア大会では日本チームが優勝するなど競技の裾野は広がりを見せる。現在国内では日本電動車椅子サッカー協会(髙橋 弘会長)を中心に体系化が進んでおり、将来的に夏季パラリンピックへの正式種目登録を目指している。
国内の環境
 県内では1997年、ドリーム・カップを開催するために神奈川県電動車椅子サッカー協会(中山佳孝会長)が組織された。当時は競技への理解度も低く、逆に危険視する声もあったが、そんな中、競技に理解を示し協力的だった平塚で大会を開催するようになり今年で17回目を迎えた。国内において電動車椅子は法的に時速6km以上の速度を出すことができないが、一方で同競技の国際ルールでは最高速度を時速10kmとされ、同大会もそれに準じている。県協会の齋藤純一さんは「競技として質を上げるための世界基準。良い選手、良いレフェリー、良いプレー、良い精神を生む、そのための協会でありたい」と考えている。また、女性初の日本代表選手永岡真理さんも大会について「世界基準のルールで強豪クラブが集まる特別な舞台」と評価する。
世界で戦うために
 国内外で異なる速度規定の差を埋めて世界で戦うには海外製車椅子が必要となってくる。その上、障害に合わせた改造も含めれば、1台の価格は乗用車ほどに達する。障害を持たずとも安くはない金額だが、経済的負担は全て自己負担だ。代表選手の三上勇輝さんは「経済的な問題はもちろん、身体への負担は大きく操作はシビア。それでも世界で戦いたい」と話す。国内ではできないことが世界ではできる。身体が不自由だからこそ自分の感覚を直に反映できるものを求める。明日をも知れぬ身体だからこそ自由にピッチを駆け回ることを願っている。
 齋藤さんは「サッカーが人と人とを繋げる。その感覚は健常者でも車椅子でも同じ」と力を込める。同時に「慣習が障害になり、できないことがあるなら風穴を開けていきたい」とも。その精神に障害の有無は関係ない。永岡さんも三上さんも1人の「アスリート」として世界を舞台に戦っている。
【写真トップ】
ボールを巡り競り合う選手
【写真下】
参加者らの集合写真/東京のチーム、レインボーソルジャーが優勝を手にした

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