平塚児童相談所が１日より開所子どもの一時保護機能を備える

　神奈川県では一時保護機能を備えた新たな児童相談所として平塚児童相談所（田辺有二所長）を平塚市中原に設置し、今月１日より開所、運営している。児童相談所は子どもの障害や養育の問題など、0歳から18歳未満までの子どもに関するあらゆる相談を受け付ける組織。本人や親からの相談のほか、近隣住民や行政組織などの第三者からの相談も受ける。
　現在、神奈川県内では設置が義務づけられている政令指定都市と中核市で設置をしている横須賀市を除き、5つの相談所を運営しており、平塚児童相談所の管轄は平塚市・秦野市・伊勢原市・大磯町・二宮町の3市２町となっている。以前は平塚、大磯、二宮は中央児童相談所（藤沢市）、秦野と伊勢原は厚木児童相談所（厚木市）の管轄下にあったが、平成22年に相模原市が政令指定都市となり児童相談所を設置し管轄の見直しが行われたために今回の新設に至った。近年、児童相談所には虐待に関する相談が多く寄せられており、ここ10年でおおよそ3倍になっているという。平塚児童相談所では相談を受けるだけではなく、虐待や非行などを理由に家庭での生活が困難となった子どもを一時保護する機能（定員25人）も備えている。
　平成24年度の相談件数は平塚、大磯、二宮で合計4555件にのぼる。開設直後ということであくまで推計だが、これに秦野、伊勢原の相談件数が加わるため、年間の相談件数は10000件弱を見込んでいるという。田辺所長は新設について「地域の方が相談しやすくなることももちろんですが、虐待の通告から子どもの安否確認をするときなど、フットワークが軽くなるのでは」と期待を寄せている。なお相談は児童相談所全国共通ダイヤル☎0570-064-000まで。