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バニューシネマパラダイス:シーン44『紙の月』

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『紙の月』(2014/日本)
監督:吉田大八 脚本:早船歌江子
出演:宮沢りえ/池松壮亮/大島優子/田辺誠一/小林聡美 他
シネプレックス平塚ほかにて上映中。
犯罪映画なのに、なぜか清々しい後味の作品だ。時代は、バブル崩壊直後の1994年。宮沢りえ演じるヒロイン梨花は、パート主婦から契約社員に昇格したばかりの銀行外交員。誠実な接客で大口契約を獲得していた彼女が、なぜか巨額の横領事件を引き起こしてしまう。きっかけは、顧客の孫にあたる、大学生の若者との不倫。学費に困った彼のため、顧客の預金に手を付けてしまう。だが、本当は理由などなんでもよかった。梨花はただ、自分を取り巻く怠惰な日常から逸脱してみたかったのだ。若者の存在は、梨花自信が新たな人生に跳躍するための踏み台に過ぎない。梨花にとって、“金”とは、欲望を満たす手段でも男を繋ぎとめる餌でもなく、日常から抜け出すためのパスポートなのだ。自らの犯した罪に言い訳ひとつせず、破滅へ向かって全力疾走する。行為が悪だとしても、その姿は高潔で爽快だ。「一緒に来ますか?」と、観客を挑発するような言葉を残し、彼女はスクリーンの外へと一陣の風のように駆け去った。 1128 映画
文とイラスト:竹内清人
1968年生まれ。
映画宣伝を経て、『戦国自衛隊1549』で脚本家デビュー。
現在、平塚の片隅(馬入あたり)で執筆活動をつづけている。

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