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ヘッドライン |2013.04.26

心を解き放つ、神仏との縁妙圓寺で12年に1度の弁財天御開帳

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 薄暗く湿った岩屋の中、煌々と燃え上がる炎が人々の業を、煩悩を焼き払う。僧たちは真言を唱え、息災・降伏を祈る。陽炎の先には平塚で唯一の石仏、人頭蛇身の宇賀神-。古くより「土屋の銭洗い弁天」として親しまれる妙圓寺で巳の日に行われている「弁天護摩」だ。巳年の今年、妙圓寺では12年に1度の「八臂弁財天御開帳」が行われる。
妙圓寺は、八臂弁財天(辨財天)を本尊とする弁天堂「寶珠殿」と、宇賀神を本尊とする岩屋を持つ天台宗の寺だ。今月29日(月)から5月6日(月)までの8日間、普段非公開の八臂弁財天が拝観できる。29日(月)に行われる開闢法要ではお稚児練り行列が実施され50人を超える子どもたちが妙圓寺弁天堂を目指し練り歩く。
弁財天は元々、古代インドで弁舌・音楽・智慧の神として崇められてきた。日本では仏教伝来直後から信仰の対象で、仏教の伝播や民間信仰との混交の中で日本古来の神である宇賀神と習合、同一視されるようになる。妙圓寺の弁財天は最も優れた力を持つ「宇賀弁財天」と呼ばれるもの。8本の腕には威徳を表す器杖を持ち、宇賀神を戴く。大黒天と毘沙門天を従え、神仏が童子の姿に身を変えた十五童子が周囲を取り囲んでいる。
12年に1度の日を迎えるにあたり池田正顕住職は「こういう時代だからねぇ」と一言。「人間、誰しも悩みがある。それはお金や地位に関わらず、また他人から見れば些末な悩みであっても当人は真剣に悩むことがある。それらを打ち明けられる、ぶつけられる先は多くない」と語る。“困った時の神頼み”ではないが、いざという時、神仏にすがりたいのは人間の性だろうか。「神様や仏様はそれらを受け止めてくれる。人のつながりが希薄になったというが、そうやってお寺などで思いを伝える、人と仏様の繋がりは変わらないだろう。12年に1度とはいえ、継続することで縁が繋がっていく」と。
クリスマスを祝い、年の瀬に除夜の鐘を撞き、新年には初詣に行く。という人も少なくない。「それでいい。そうやっていろいろ取り込んでいくことが仏教にとって最上のこと」と真っ直ぐに語る池田住職。明治時代の神仏分離で分たれた神と仏も、それ以前はただ、“思いを伝える先”として信仰の対象だった。そしてそこに日本人のアイデンティティが生じた。
ふとした時の心の拠り所として数多の神や仏がいる。そんな幸せが日本にはあり、日本人のDNAに組み込まれている。
【写真上】新年最初の巳の日に行われた護摩供養【写真左下】今回御開帳となる弁天堂【写真右下】岩屋に安置されている宇賀神

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